高知旅行記 2

高知旅行記 2

2022年11月2日

ホテルで朝食。カツオたたき定食やらかんぱち刺身定食やら釜揚げしらす丼定食やらからチョイスだって。私はかんぱち、夫はしらす。高知は魚尽くしだなあ。

さて、駅から特急しまんとに1時間44分乗って、中村駅を目指す。バスの乗り換えに10分しかないけど、その間に荷物をコインロッカーに預けられるかなあ、なんて心配していたら、あら、改札の真ん前にコインロッカーがでん、とある。ありがたいこと。ここからバスで足摺岬まで1時間35分。のんびり参りましょう。

バスは最初、大きな道を悠々と走っていたのだけれど、土佐清水というのどやかな漁港のバス停から地元のおばちゃんたちが大勢乗り込んできた。わいわい賑やかにおしゃべりが弾み、道は急に狭くなり、ぐねぐねと曲がりくねる。このバスは地元の足でもあるのね。日光のいろは坂みたいなヘアピンカーブの崖沿いの狭い道をぐいぐいと走るバス。すごい技術だ。対向車が来ると、互いによけ合ったり、ちょっとバックしたり、郵便配達の路上駐車があると戻ってくるのを待ったり。「次の階段の下で降ろしてくれる?」なんて個人的オファーにもちゃんと答えたりして。崖に張り付いた小さな階段を延々と登っていくおばあちゃまの後ろ姿を見送る。あの上に家があるのか。

道々、「ジョン万次郎のふるさと」というポスターが貼ってあったり「ジョン万次郎を大河ドラマに」という横断幕を見かける。私もジョン万次郎は好き。十代で遭難して、アメリカに渡って船長の養子となり、学校教育も受け、主席になるほど優秀だったという。そんな彼が苦難の果てに日本に帰り、江戸末期から明治初期の時代を支えたのだ。立派な人だと思う。大河にするなら誰かなあ、浅野忠信か、なんて思い描いたのだが、でも、これ、ドラマ化するとしたらアメリカロケやハワイロケ必須じゃない。コロナ禍ではちょっと無理か。予算もかさみそう。というと、夫が「顔の濃い人を集めてテルマエロマエみたいに撮影したらいい」なんて言う。なるほどね。

ようやく足摺岬に到着。帰りのバスの乗り場を運転手さんに尋ねると「ここの道の反対側で待っててください」ですって。ありがとう、素晴らしい運転でした。降りたのは、我々ともう一組くらい。まあ、観光客の皆さんは、ここまでは車で来るのが定番なんでしょうね。

まずはお昼を食べましょう。と、バス停の前の食堂に入る。土佐清水サバ定食を頼んだのに、今日はサバがないってさ。残念。また、カツオたたき丼を頼んでしまう。だってカツオ、うまいんだもの。

さて、足摺岬へ。途中、ジョン万次郎の銅像に会う。あなたの噂話してたんだよ。

海は荒々しく美しい。太平洋だー!

遊歩道を歩いて灯台を眺める。万次郎はこのあたりから出航したのかなあ。そして、ハワイ、アメリカへと渡って行った。気が遠くなるなあ。

帰りのバスの時間があるので戻りましょう。バス停前に四国霊場88ヶ所巡りの第38番札所金剛福寺がある。

こんなかわいいお地蔵さんもいた。

さて、道の反対側で待っていると、さっき乗ってきたバスがやってきた。同じ運転手さんが手を振っている。お遍路さんの格好をしたおばさんが一人、運転手さんに何やら道を尋ねていると、とりあえず乗って、そこまで運んであげる、と言っている。そして、ちょっとだけ乗せてあげて、向こうの集落を指さして「あっちに行くとありますよ」とお代も取らずにおろしてあげていた。本当はだめなのかもしれないけれど、親切な人だなあ。

しばらく走ると、突然運転手さんが「すみません、業務連絡でちょっと止まります」とバスを止めて携帯で話をしている。「この先、工事があって、対向のバスとすれ違うために、ちょっとしばらく止めることになります」ですって。そして、バスは鵜ノ岬というところで止まった。「ここで対向のバスを待ちます。良かったら、降りて景色を眺めたり、写真を撮ってくださっても構いません。」というので降りてみる。おお、いい眺めだ。むしろラッキーかも。

それからバスは来た時と同じ超絶ぐねぐね道をすいすいと走り、無事に中村駅へ到着した。

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サワキ

読書と旅とお笑いが好き。読んだ本の感想や紹介を中心に、日々の出来事なども、時々書いていきます。

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