Yチェアの秘密

Yチェアの秘密

2021年4月10日

10 西川 栄明 誠文堂新光社

昨年、今のマンションに引っ越した。今までずっと社宅ぐらしだったのが、初めて自前の住宅になったため、それまで備品を使っていたダイニングテーブルや照明器具なども購入することとなった。そこで買ったのが、この本で紹介されているYチェアである。

Yチェアは、北欧の家具デザイナー、ハンスJ.ウェグナーが手掛けた椅子である。もともとは中国明代の圏椅(クアン・イ)をもとにチャイニーズチェアが生まれ、それがYチェアへと発展していったものである。丸みを帯びたアーム、Y字型の背板、ペーパーコードを張り巡らせた座面。とりわけ日本で人気があり、美術館やレストランなどでもよく使われている。

Yチェアの何が優れているのか、どのようにデザインが作れてたのか、そしてそれがどのように日本で紹介され、どのように人気を博していったのか、またその構造の秘密や偽物との違い、立体商標登録された経緯など、Yチェアのすべてが書かれている。

実はこの本、Yチェアを購入したお店から新居祝いにと送られたものである。しばらく放ってあったが、ついに読んでみたら意外に面白かった。