シャルロットの憂鬱

シャルロットの憂鬱

7 近藤史恵 光文社

近藤史恵は「ときどき旅に出るカフェ」以来かな。これも電子本。電車が長くて、もう一冊、スマホから読むことになりました。この人なら間違いない、と安心して開いたら、案の定、楽しい物語でした。

不妊治療に励む夫婦が、ちょっと一休みしようと犬を飼うことを考える。やってきたのは、元警察犬、雌のジャーマンシェパードのシャルロット。このシャルロットに関わる日常の謎を解く、人が死なないミステリ。そう、私は人が死なないミステリが好きなんです。怖くないからね(笑)。

大きな大きな犬の癖にチワワに嚙まれてしまうシャルロット。それがまたいとおしい。最初は子供ができた時のために、寝室に入れるのだけはNGにしていたのに、途中からはベッドで一緒に寝るようになったりしてる。そういう心の変化が自然に描かれているのも好感が持てる。

犬への愛情が温かく描かれていて、気持ちの良い物語だった。