デンマーク・イタリア旅行記2(ローマ篇1)

デンマーク・イタリア旅行記2(ローマ篇1)

2024年6月2日

ホテルをチェックアウトしてコペンハーゲン空港へ。11時出発の便なので早めに行ったら、まだ搭乗ゲートが発表になっていない。長いことベンチで待っていたらようやく電光掲示板にゲート番号が出たので移動。そこで一時間以上待っていたが、一向に人が集まらないし、スタッフも来ない。どうしたのかと再度掲示板を確認したら、ゲートがまた変更になっている!そろそろ搭乗時間になろうかという時間だったので、あわてて移動する。新しいゲートは驚くほど遠く、そして、私の足はまだ完全ではない。ひいひい言いながら急いで行ったら、人があふれている。飛行機がまだ到着しておらず、出発も遅れるらしい。なんだよ、走るんじゃなかった。結局、一時間半遅れで搭乗。遅めの昼食を機内で食べる。

かなり遅れてローマに到着。十分な余裕をもっておさえてあった市内行きの鉄道はとっくに行ってしまっている。チケット窓口で相談しようと並ぶ。我々の前の若い女性たちと窓口のお兄ちゃんはにこにこしながらずーっとしゃべっていて、なかなか終わらない。ってか、もうチケットは渡し終えてるんじゃないかい?何か雑談で盛り上がってるみたいに見えるが。さすが、イタリア。若い彼女たちがようやく去って、我々の番になって事情を説明するとつまらなそうに「カスタマーカウンターへ行け」と顎で指し示す。

カスタマーカウンターでは、到着遅れのチケット変更なんて日常茶飯事らしく、すぐに対応してくれた。座席もちゃんと取れて、やれやれ、ローマのテルミニ駅に無事到着。そこで今度はローマパスを買う場所を探す。公共交通と見どころ二ヵ所の入場料が含まれたお得なパスなんだが、売ってる場所が分かりにくいったら。しばし彷徨ってようやく発見したら、今度はクレジットカードが使えないとか何とか言われ、別のカードで決済したらOKとなってやれやれ。二人ともへとへとだ。これで食事をする場所をまた探すのも大変なので、駅の売店でサンドイッチなどを夕食用に買い求める。ホテルはテルミニ駅から歩いても行ける距離だが、地下鉄に一駅乗るともっと近いので、ローマパスで早速地下鉄に乗る。こっちのホームでいいのかしら、と案内板を見て言い合っていたら、そこにいた現地の兄ちゃんが、どこに行きたいのか聞いて「こっちで大丈夫だぜ」と言ってくれる。どこにも親切な人はいるなあ。

やっとホテルに到着。19世紀の館を改装したホテルはおしゃれなんだけど、エレベーターなしで階段をちょっと上り、中庭を通って入る。独立感は良いのだが、雨降ってると傘が必要、そしてその日は小雨模様。でも、イタリアらしいきれいなホテルだった。疲れたので、駅で買ったサンドイッチ類を食べて、その日は倒れるように寝た。

翌朝。9:20にコロッセオ見学の予約を入れてあるので間に合うように地下鉄で移動。早めについたのであたりをぶらぶらする。コロッセオは外観を見ただけで、圧倒されるし、近くにはコンスタンティヌスの凱旋門が堂々と立っていて、しばし仰ぎ見る。どこを見ても歴史的建造物だらけで、すごい、すごいとしか言いようがない。


時間が来てコロッセオの中へ。広いし、高いし、まあ、歩くこと歩くこと。エレベーターなんてないのね。車いすの人もいたので、探せばどこかにあるのだろうけれど、基本、歩いて登っていく。こりゃ、歳取ってからは来れないなあ、間に合ってよかった。最上階まで行って、ドドーンと広がる競技場を見下ろす。向こう岸の観光客に手を振ると振り返してくれたりして。世界中の人が集まってるんだなあ。カモメが我が物顔にたたずんでいて、ここの主人公みたいだ。


コロッセオを出て、フォロ・ロマーノとパラティーノの丘を歩く。ローマ時代の市民の生活の場、住宅地の跡や皇帝の公邸跡などが並んでいて、セイヨウハナズオウがきれいに咲いている。2000年前からここにローマ人が住んでいたんだよなあ、と感動というよりは呆然とする感じ。どこへ行っても圧倒される、世界中の観光客があふれている。


ヴィットリオ・エマヌエーレ二世記念堂の所まで歩いて、そこからバスに乗り、チルコ・マッシモ方面へ抜ける。真実の口があったけれど、大行列なので横から眺めるだけにして、そこらへんでお昼を食べ、チルコマッシモまで歩く。昔の戦車競技場。ここを戦車が疾走ていたんだなあ、ベン・ハーだなあ、と感慨深い。大分歩いて疲れたのでこの日はこれにて終了。いったんホテルに戻り、夜食事のためだけ外出して、あとは休んだのであった。

ところで、ローマは暑い。ヘルシンキは雪が降っていたのに、ローマは歩いていると汗をかく。北欧は寒く、イタリアはあったかいだろうと重ね着できるように持ってきた半そでTシャツが役に立った。

コロッセオの翌日はヴァチカン博物館に16:00に予約が入れてある。午前中はまずサンタンジェロ城へ行く。ハドリアヌス帝が建築した城らしい。コペンハーゲンのカステレット要塞と同じように五稜郭みたいな星形をしている。中は博物館になっている。高くそびえたった建物の中をぐるぐる回るうちに、だんだん上へ上っていく。へとへとになってたどり着いたテラスから見えるサンピエトロ寺院の姿は素晴らしい。


それにしてもローマはバリアフリーではない。そもそもが石畳の道は歩きづらく、車いすやベビーカーはガタガタとさぞたいへんだろう。地下鉄駅にはエスカレーターがないか、あってもロープが張られて使用不可だったりする。古代遺跡と共存するとこうなるのだろうけれど。(コロッセオ内部には、ハンディキャッパー用のエレベーターはあったらしい。)

ランチはビュッフェ形式だというレストランに入ったら、あらゆる料理がひと皿に盛りあわされて出てきた。それからサンピエトロ寺院へ。ものすごい行列で、これは数時間ならぶな、と思い、中に入ることを断念する。午前中に法王のスピーチがあったらしく、大量のベンチが並べられ、それを片づけているところであった。寺院を守っている衛兵の制服が派手で、老齢になってからのジュリーのコンサートの舞台衣装のようであった。


サンピエトロ寺院付近をうろうろしてからヴァチカン博物館方面へ行く。まだ予約時間には早いが、ネット予約なのでどこかでチケットと交換する必要があるのか確認に行く。博物館周辺には黒服のカッコいい(ちょっと怖い)おじさんたちが大勢いてチケット確認をしている。予約しているのだけどどうしたらいいか聞くと、予約の15分前に来い、それまではこのあたりをぶらぶらしておけ、と言われる。

あたりをうろついて、カフェでひとやすみ。それから、「地球の歩き方」でほめられていた店にならび、ジェラートを食べる。これはうまいぞ。

なんだかんだで時間をつぶして15分前に行き、スマホを見せると少し離れたチケット屋でチケットと交換してこいと言われる。それをさっき聞きたかったんだけどなあ。とにかく、無事チケットが手に入り、博物館に入館する。

ものすごく広いヴァチカン博物館。どこへ行ったらいいかわからないくらいだ。とにかく片端から見て回るのだけど、壁と言い、床と言い、天井と言い、どこを見ても、どの空間にもとんでもない装飾や美術品や絵画や彫刻があふれていて、いったい何をどう見たらいいのやら。圧倒されるとはこのことだ。しかも、立ち止まらないでさっさと行けという指示が出る。人が多いのよ、祝日の浅草寺みたいだわ。


システィーナ礼拝堂、はいありました。なんか大塚美術館で見たよりも規模がすごい、そりゃそうよね。感動する間もないほど、次々といろんなものがあるので、お腹いっぱいになる。これ、ひとつずつゆっくり見せてほしいけど、そしたら永遠にここから出られない。
というわけで、ヴァチカン博物館の感想は「いっぱいあったなー」であります。繊細な感想なんて残らない、持てない。こちらの感性がショートしちゃったみたい。

いやあすごかった、やれやれ疲れたね、とホテルに戻ったのでありました。

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