北欧旅行記 その7

北欧旅行記 その7

2023年8月11日

飛行機で一時間、ノルウェーからスウェーデンへ移動する。六日ぶりのストックホルムだ。空港から市内へのアーランダエクスプレスは料金が高いので旅行者に不評だけれど、ネットで二人分を先に予約しておくと結構お得。今回は中央駅すぐ近くのホテルを取っておいたので、アクセスがとても楽。ただ、フロントのお姉さんは極めてビジネスライクで、恒例のおすすめのレストランをお尋ねしたら「いっぱいあるわよ」としか言ってくれなかった。そりゃいっぱいあるだろうけどさ。

ホテルについて、はたと気が付く。オスロのホテルのベッドサイドにワイヤレスイヤホンを置き忘れてきた!!夜、ベッドサイドにおいて、それから寝てる間に布団に巻き込んじゃったのかも。慌ててオスロのホテルにメールするが、「探しても見つからなかったよ」とのお返事。あー!!大失敗だ。

移動だけで疲れちゃったけど、ギャモンの主催者だったヨルゲンさんに教えてもらっていたレストランに予約してあるので、そこを目指す。というのも、本日は日曜日。そして、ヨーロッパの日曜の夜は休業のレストランが多くて夕食難民と化すことが多い、と前の旅行で学んだからだ。結構歩いてレストランへ。途中、こんなオブジェに出会う。背が高いって大変ね。

魚料理の店で、あたると怖いねーと言いながら牡蠣なんぞを食べる。今回の旅では、びくびくしながら何度も牡蠣を食べたが、結局あたりはしなかった。よかった。美味しかった。

翌朝、まず市庁舎へ行く。ノーベル賞授賞式の晩餐会とその後のダンスパーティが行われる場所。ガイドツアーで中も見学できる。

晩餐会が開かれるホールはやたらと広い。ものすごく長ーいテーブルを真ん中において、その両脇に短いテーブルを配置。長いテーブルには受賞者が、そのわきには関係者が座る。端から端まで給仕するのには数十分以上かかるんだそうだ。テーブルの向こう側の人と話したりするのは大変だろうなあ。

市庁舎を出て、王宮へ。王宮は広くてそれぞれにチケットを買ったりしてややこしい。ざっと中を見て、外に出たら衛兵のパレードが橋の上から見えた。

それから中世のような街並みの旧市街、ガムラスタンへ。ここには二十代で一度来てるんだけど、あんまり覚えてないなあ。やたらと観光客が多い。貴族の館を外側から眺めてからノーベル賞博物館へ。たくさんの受賞者の資料があって、日本人を探したら何人かみつかった。例えば、この方。

フィンランド教会は、建物自体ではなく裏庭にあるこのアイアンボーイが人気。

モーテン・トロツィグ・グレンはガムラスタンで一番狭い通り。幅は90センチ。結構な人気スポットなのだが、そこで事件が。狭い道を通ろうとしたら、私の後ろにピタッと張り付いた女性がいる。そして、背中に、ジジジッと嫌な感触が。すぐに「何!!」と振り向いたら、彼女、パッと離れて写真を撮っているふりをしたのだけれど、その時、私のリュックのチャックが開かれていた!しかも中チャックまで開きかけ。スリだ!二重になっている中チャックを完全に開けられたらパスポートがやられてたかもしれないのだけれど、きっちり閉めてあったし、財布はずっと底の方だったし、すぐに気づいたので被害はなし。危なかった。スリらしく女性はたちまち姿をくらました。観光客の多い場所って危険。

スリ未遂事件でドキドキしてしまったので、アイスクリームを食べて気持ちを落ち着ける。それから、地下鉄で移動してストックホルム市立図書館へ。中心部が円柱になっていて内側の壁に沿って本が並ぶデザインが有名な建物。

内部はこんな感じ。本好きの天国みたいな場所だわ。

児童室でスウェーデン出身、リンドグレーンの作品を探す。私はリンドグレーンのファンなのである。本家本元のはずなのに、案外少ない。

ここから今度はヴァーサ号博物館へ移動。1628年に建造された大型戦艦ヴァーサ号は、処女航海で、まだストックホルム港内にいる間に突風で沈没。その船体が1961年に引き上げられ、復元されて展示されている。日本で言えば江戸時代の出来立てだった船が20世紀に海からそのままの形で引き上げられている、海洋考古学上非常に意義深い博物館。船がそのまま展示されている。

元々はこんな船だったという模型もある。引き上げのドキュメンタリー映画も上映されており、とても面白かった。

夕食は、これまたヨルゲンさんに教えていただいた、昨日とは別のレストランへ。ここが大変すばらしい。もし、これからストックホルムに行く予定があるのなら、ぜひここへ。ヨレヨレの旅行者の我々を温かく迎えておいしい食事を楽しませてくれて、大好きになった店であった。

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