台湾旅行記4

台湾旅行記4

2023年12月24日

五日目。
国立台湾美術館へ。なんとここは入場料無料。素晴らしい。「美術館の楽しみ方は、難しいことはどうでもいい。自分が泥棒になったとして、この館内、一つだけ盗むとしたらどれにするかを決めること。」と息子。よし、盗むぞー。例によって若者組と老人組に分かれて行動開始。

本格的な山水画や書画が多い。ただ絵を描くだけではなくて、どうしても脇に漢文を書き入れたくなるのね、台湾美術は。雪舟っぽい絵とかあるけど、こちらが本家で、雪舟は教わったほうだものなあ。

伝統的水墨画から現代美術まで、各階、各部屋ごとにあらゆる芸術品が集められている。私が気に入ったのは紺色を基調とした抽象画。

これならうちに飾ってやらんことも無いぞ、と思う。息子はひとつを選ぶのは無理なので、一部屋持って帰りたいんだそうで。欲張りは身を滅ぼすから気をつけてねー。

美術館の敷地内にある有名なお茶屋さんへ行く。レストランが本日は貸し切りだとかで、お茶をテイクアウトして庭でいただく。このお茶が、鉄観音茶のミルクティーなんだが、すこぶるうまい。

庭にも彫刻などが飾ってあって、とても気持ちのいい場所だ。子どもたちが遊んでいたりする。

さて、ここで息子夫婦とはお別れ。彼らはいったん帰宅し、なんと明日は山陰地方へ飛ぶ。息子の来年からの赴任先に挨拶がてら、住居も決めに行かねばならないのだ。わー、お疲れ様。

飛行場へ向かう彼らを見送って、ついに我々老夫婦だけになる。あー、疲れた、若いもんのペースに合わせるとしんどいことよのう、などと笑い合う。ここからはゆっくり参りましょう。というわけで、さっきのお茶屋さんに戻って、お昼を食べる。それからバスで台中駅に行き、台湾新幹線にて高雄へ移動。

台湾ドルが足りなくなってきたので、駅なら両替できるかと思ったら、あいにく本日は日曜日。両替できる場所がないので、駅のインフォメーションで尋ねると、駅の外に出て、「新光三越」の一階で両替できるって!台湾にも三越があるのねえ・・・。

駅の外に出て、「新光三越」と大きく書いてある店舗に入るのだが、両替できる場所が見つからない。店員に聞いてもわからないという。(ちなみに、日本語で聞いてみて、伝わらなければ英語。だいたいどっちかは通じることが多いのだけど、だめな場合もある。)店の中で座り込んで話し合っている男女二人がいたので、その人たちに尋ねると、男性が「ついておいで」と案内してくれる。一度店の外に出て、隣のビルへ。なんと、新光三越は、隣だったのね。三越の中に入って、店員さんにまで訪ねてくれて、両替場所まで案内してくれた若者よ、ありがとう。機嫌よく手を振って帰って行った。私は彼がお店の従業員だと思って話しかけたのだが、夫によると、店の一般客だったらしい。なんとも親切な人であった。どこへ行っても親切な人はいるなあ。感謝。

というわけで、新光三越で両替。レートは銀行より悪いが、まあ、仕方ない。台湾は思ったほどクレジットカードが使えないのだな。北欧旅行では、一度も現金を使わずに旅が終わったので、ついつい現金の準備を甘く見ていた。

現金も手に入ったので、地下鉄に乗ってホテルへ。駅からホテルまでの間にお茶屋さんが五軒くらいある。その中のひとつに行列ができていたので、きっとここが一番おいしいのだろう。さて、ホテルにチェックイン。フロントでサービスにビールを二缶もらう。疲れた体に嬉しいぜ!ついでにお勧めのレストランはあるかと尋ねると「鴨肉珍」は有名だよ、ですって。でも、調べたらその店はホテルからは結構遠いので、今日はもう少し近場にしようということになる。

荷物を置いてひとやすみ。夕食は徒歩圏内の、家庭的な料理屋で済ます。

テラス席というか、道にテーブルを並べてある。台湾はそういう店が多い。キッチンが外にある店もあるくらいで、屋台も普通の店も同じような感じで、外で食べることが多い。あったかい場所だからかなあ。ちなみに、この旅の間、私たちはほとんど半袖で過ごしている。11月、日本では寒波が襲っていた頃の話だけれど。料理はどれもおいしゅうございました。

部屋に帰って、本日は終了。息子たちは無事に帰国したらしい。お疲れさまでした。

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