皆様、関係者の皆様

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36 能町みね子 文春文庫

これも週刊文春の連載をまとめた本。エッセイじゃなくてコラム。2020年4月から2021年9月までっていうからごく最近のように思ったけど、読むともう、遠いなー。時事ネタは、あっという間に過ぎていくと改めて思う。

ナインティナイン岡村のラジオでの失言(コロナが収束したら美人さんが風俗に流れ込むからそれまで頑張ろう、みたいな笑えない励まし)、「うちで踊ろう」という素敵な企画が安倍晋三にものすごくつまんなく使われたこととそれに対する星野源の毅然とした対応、「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」という森元総理の恥ずかしい発言、「東京アラート」という言葉だけで何の意味もない小池都知事のコピー・・・。あっという間に過ぎてくんだなー。いつの間にか忘れていたいろんなこと。これを読んだら怒りが再燃してしまった。

能町みね子は鋭い。言葉尻をとらえるだけでなく、その言葉尻の違和感の正体を明確に言語化する。舌鋒鋭いというのとはまた違って、静かにきちんと理詰めで追いつめていく感じが、とてもよい。その言葉がなぜ、その人からどういう流れで出てきたのか。理路整然と説かれていて気持ちいい。賢い人だなあ。

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サワキ

読書と旅とお笑いが好き。読んだ本の感想や紹介を中心に、日々の出来事なども、時々書いていきます。

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