いつも彼らはどこかに

いつも彼らはどこかに

39 小川洋子 新潮文庫

なんか読んだことあるなー、と思って、帰宅後調べてみたら、あらら、2015年末に読んでいたのでした。短編小説集。「ハモニカ兎」というオリンピック開催までに日程を管理する男の話に既視感があった。と思ったら、前読んだときも同じ短編について感想を書いていた。誰もが経験している事象が、小川洋子の目を通すと不思議なものに変化する。それが面白くて、心地よくて、だから小川洋子が好き、と当時も思ったし、今回も思った。自分の記憶力のなさには絶望するが。小川洋子の物語を読むと、どんな人生も肯定され、温かく受け入れられる気がする。

ローマからフィレンツェに移動する間に読んだ。十冊持っていった本が、そろそろ底をつきそうで、はらはらしながら読んでいたっけ。