デンマーク・イタリア旅行記4(フィレンツェ篇1)

デンマーク・イタリア旅行記4(フィレンツェ篇1)

2024年6月5日

午前中にローマを出て鉄道でフィレンツェへ向かう。

イタリアの鉄道は飛行機と同じように電光掲示板に何番線か表示されてから乗り場へ向かう。入場改札は特にないのでそのまんま鉄道に乗り込む。二人分予約してある席は横並びじゃなくて向かい合わせ。その後乗った指定席はほとんどがそうだったから、ヨーロッパの人は横並びよりも向き合いがワンセットなのかしら。

フィレンツェにつく。駅から歩いてすぐのホテルにチェックイン。お昼だったのでフロントにお勧めのレストランを教えてもらってランチに行く。隣のテーブルが日本人の女の子たちで、久しぶりに日本語を聞いた。

そこから今度はサンタマリア・ノヴェッラ教会へ。ここは駅の近くで、駅の名前の由来にもなっている。美しいフラスコ画がたくさんあって、ステンドグラスも素晴らしい。

フィレンツェはこぢんまりとした街なので、ほとんど歩いて回れる。でも、車通りが多いので気をつけないと危ない。特に私は転びのプロなので注意が必要である。したがって、なんだか疲れる。とにかく街を歩いて中心部方面へ向かう。途中、いろんなブランドショップがひしめいているが、あんまり興味がないので割愛。ただし、ジノリのショップだけはちょっとのぞき込んだ。

ジョットの鐘楼と洗礼堂、ドゥオーモが並んでいるところへ出る。大理石でできた美しい建築が立ち並んでいて圧倒される。

今日は中には入らず、そのまま一度ホテルに戻って休憩。ホテルの部屋にはささやかな天井画があった。真ん中にあるのが火災報知器らしい。なんか笑っちゃう。

夜、さっきホテルで紹介されたレストランふたつの内のもうひとつ「Trattoria La Gratella」に行く。フィレンツェ名物だという鳥のレバーと牛フィレ肉のステーキを頼む。すると、まあ!おいしいのなんのって!レバーは温かくふわふわで口当たりがよく、ステーキは外側はカリッとして中はジューシーで、全然脂っこくない。付け合わせの豆の煮込みもとてもおいしい。日ごろ、あんまりステーキなど好まない私たちが夢中になって食べてしまった。この日の夕食は、この旅一番の美味であった。

余談だが、このレバーペーストがあまりに美味しいので、おそらくホイップして生クリームを混ぜ込むなど手が入れてあるのだろうと想像していた。そもそもレバーペーストって冷たいまま食べるものだと思ってたし。ところが、帰国後、近所の肉屋でレバーペーストを買ってレンジで温めて食べてみたら、なんとまあ!あの味がかなり再現されたではないか。レバーペーストは温めて食べるとふわふわでとても美味しい。という大発見であった。皆様も、お試しあれ。

フィレンツェに着いたその日だったか翌日だったかよく覚えていないのだが、私はホテルで休憩中に、今後の旅の予定についてチェックしていた。この旅は夫が企画して行程表も作成していた。チケット類はEチケットなので、私のスマホに転送してあった。

私が気になっていたのはミラノからの帰国行程である。ヘルシンキからの帰国便と、ミラノからヘルシンキへ飛ぶ飛行機を別々に購入したので連携が取れず、荷物を預けると厄介なことになりそうなことと、ミラノでヘルシンキからの帰国便のチェックインも同時に済ませられるかが不明だった。まあ、そういうことはたいてい何とかなるものだが、ミラノ空港にはできるだけ早くついて不測の事態に備えたほうがいい。

そこで、帰国の途につく日のミラノから空港までのアクセスを確認して「おや?」と気づいたことがある。ミラノの中央駅は「Milano Centrale」なのだが、空港行の鉄道のチケットの出発駅の記載が「Milan Bovisa Politecnico」なのである。グーグルマップで確認すると、Milan Bovisa Politecnicoは、確かに空港行の鉄道の発着駅ではあるが、ミラノ中央駅から何駅か先である。ホテルは中央駅のすぐそばなので、わざわざその駅まで移動する理由は全くない。不審に思って夫に確認すると、中央駅から購入したつもりだったという。駅名がどちらも「ミラノ」から始まるので、ネット注文の際に間違えたようだ。

当日乗ろうとしたところで気がついたら大騒ぎになるところであった。これはチケットを買い直したほうがいいということになる。しかし、二人ともポンコツ英語しかしゃべれないので、まずは状況説明をスマホの翻訳ソフトを使って英語化し、それを手帳に書き留める。そして、満を持してフィレンツェ中央駅へ向かった。

チケット売り場は自動販売機任せで、人のいる窓口は行列ができているのは日本と同じ。順番待ちのカードを取って長々と待って窓口でポンコツ二人が必死に状況を説明する。手帳に書いた文章なんて結局読んでもらえない。イタリア国鉄職員曰く「チケットのキャンセルはできない。」じゃあ、どうしたらいいかというと「新たにミラノ中央駅からミラノ空港までのチケットを買い直せ。」である。本当は間違って買った駅までのチケットを買い足せばよさそうなものだが、それを説明できる英語力がない私たち、そしてめんどくさくて早く終わらせたい職員。仕方ないので新たにチケットを買い直した。間違いなく、これで当日にミラノ中央から空港まで行けるのね、と確認して。やれやれ。ぐったり疲れてしまった。まあ、でも早めに気が付いてよかったと思おう。

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