デンマーク・イタリア旅行記7(ヴェネツィア篇2)

デンマーク・イタリア旅行記7(ヴェネツィア篇2)

2024年6月8日

本日はヴェネツィアングラスの島、ムラーノ島へ行く。ヴァポレットにかなり長い時間乗る。72時間乗り放題チケットをかなり有効活用してるわ。あいにくの小雨模様だけれど、傘をさしている人は少ない。ヨーロッパの人ってなんで傘をささないんだろう。

ガラス博物館を目指して歩く。途中、たくさんガラス店がある。娘にピアスを頼まれていたので、探しながら歩く。ウインドウにかわいらしい赤いピアスがあったのでそれを買おうとすると在庫を出してくる。でも、微妙に色合いが違う。私は、このピアスが欲しいのよ、と言って展示されていたものを買う。在庫より色が深くて輝きも良くて、頑張って主張してよかった。

息子にはヴェネツィアングラスの小皿を購入。色合いがすごく気に入ったら、やっぱり名のある人の作品だって。ほかの品物より若干高いが、頑張って買う。これでお土産はコンプリートしたのでちょっとほっとする。

ガラス博物館。古代ガラスから、現代アートまであらゆるガラス作品が展示されている。

こういうのを見ると、逆に店で手ごろなお値段のものを買いたくなくなっちゃう。鳥羽の真珠島でものすごく立派な真珠をたくさん見せられた後、ちっちゃな真珠を買いたくなくなるみたいな感じ。素晴らしい作品はここにいてね、家に連れて行く気にはならないわ、またそのうち見に来るからね、と思う。次に来れるかは不明だけど。

ムラーノ島の教会はキリスト像までがガラス製だ。

お腹が空いたので、カフェでサンドイッチを食べてお昼にする。それから、レースの島、ブラーノ島にヴァポレットで移動。ピンクやブルー、グリーンなど色とりどりの家が運河沿いに立ち並んでテーマパークみたいな街並み。

レース博物館でたくさんのレース製品を見学する。これ、気が遠くなるような作業で作られてるのね。私には無理だわ。とても美しいけれど、買って帰っても活用できなさそうなので、眺めるだけにする。

本島に戻って、スーパーマーケットでちょっとお買い物して、この日は終了。ポケットティッシュがなくなったので買ったけど、ガサガサ。日本の柔らかいティッシュの優秀さが分かった。

翌朝、サンマルコ広場の対岸に見える島に行ってみたいという話になる。サン・ジョルジョ・マッジョーレ島というらしい。例によってヴァポレットに乗る。一本で行けると思ってたのに、なぜか途中の駅で急に全員、ぞろぞろ降ろされる、どうやらエンジン不調か何からしい。特に詳しい説明もなくただただ「ここまでで降りてね」的な対応には驚く。まあ、説明されてもイタリア語、分かんないんだけど。

しょうがないので下ろされた場所の近くにある、先日休館だったグッゲンハイム美術館へ行く。ちょうど開館時間であった。グッゲンハイム美術館はピカソやジャコメッティ、カンディンスキーなどが展示されている。

中学生が見学に来ている。一枚の絵を前に、実に楽しそうに語る解説者。熱心に聞いている子どもたち。こんな美術館が近くにあったら楽しいなあ。展示もいいが、庭も美しい美術館。藤の咲き誇るカフェで一休みした。

そこからヴァポレットで夫お気に入りの安藤忠雄が17世紀の海の税関だった建物をリニューアルしたというプンタ・ドラ・ドガーナへ。現代アートの美術館である。中はやたらと真っ暗になった展示室があったり、映像作品が上映されていたり。昔行った直島の美術館を思い出した。

そこから、ようやく、最初に行くつもりだったサン・ジョルジョ・マッジョーレ島へヴァポレットで行く。

小さくて静かな美しい島である。島と同じ名前の教会に入る。

エレベーターで鐘楼に上ると、対岸のサンマルコ広場が広がって絶景である。

絵ハガキか映画の世界だわ、とヴェネツィアに来てから何度目かのセリフをまたつぶやいてしまう。うっとりしていたら、すぐ横にある大きな大きな鐘が、いきなりガラーンゴローンと大音響で鳴る。

突然のことに飛びあがって悲鳴を上げる。隣で同じようにうっとりしていた観光客の白人のおばさんが一緒に飛びあがって悲鳴を上げ、それから二人で顔を見合わせて大笑いしてしまった。言葉も通じないのに、二人で何度も何度も笑い合ってしまう。人間が分かり合うって、言葉でもないし人種でもないし、価値観ですらないのかも。そのおばさんとはもう一生会わないだろうけど、一緒に驚いたこと、笑ったことは、きっと死ぬまで忘れない。

教会を出て、島をぶらつく。きれいな丘にこじゃれたカフェがある。ここでランチ。そして、ヴァポレットに乗って本島に戻る。

帰りがけ、リアルト橋近くの魚市場を通るが、ほとんど店じまいされていて残念。明日また来よう。

さて、翌日。ヴェネツィア最終日である。まずは、初日に行ったコインランドリーへもう一度行って、たまった洗濯物を洗う。これで帰国まで洗濯ものは大丈夫。

それから、今日はゴンドラに乗ってみようという話になる。水路沿いに歩いていけば、どこかできっとゴンドリエーレが待機してるから、良さそうだったら乗っちゃおう。歩いていくと、小さな水路にいました、いました。日本人だというと「コンニチハ」と言ってくれるが、日本語はそこまでね。あとは英語で、マダムは右側ね、と座る場所を教えてくれる。バランスをとるためなんだそうだ。

それから、狭い水路をゆったりとゴンドラが動き出す。途中、ゴンドリエーレのお兄ちゃんは、カンツォーネを唄ったり、解説を入れたり、水際にいる現地の人と声を掛け合ったり。「このゴンドラ、どこで乗れるの?」と観光客に聞かれて場所を答えたり。優雅だわ。最後に記念写真を撮ってくれて、ああ、楽しかった。一生に一度の想い出だわ。

ちなみに夫が20年前に来たときにはゴンドラの公定料金は50ユーロだったそうだが、今回は90ユーロ。倍近く上がっていた。みんな、早く乗りに行かないと100ユーロになっちゃうよ!

夫が行きたがっていたバカロに行く。「気軽にお酒を飲みながら軽く食べられる場所」がバカロである。いくつかおつまみを頼んで、冷たい白ワイン。ご機嫌だわ。

それから、昨日終わりかけていた魚市場へ。野菜の市場もまだ開いている。いろんな品々が元気に売られていて、楽しい。お土産に乾燥パスタやパスタソースの素を買った。

夜は、ホテル近くのレストランで、ヴェネツィア最後だからとオマール海老とシーフードリゾットを奮発。ヴェネツィア、おいしゅうございました。

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