屋久島・指宿旅行記4

屋久島・指宿旅行記4

2023年11月13日

一度宿まで戻って、バス時間に停留所へ。夫は宿でお留守番。バスで四つ目くらいのところで降りるとすごく立派な建物。リゾートホテルかと思ったら、病院だった。

受付で整形外科を受診したいと言ったら「予約制なので・・」という。いや、電話で三時半に予約してあります、というと受け付けてくれて、整形外科まで案内してくれる。整形外科の看護師さんがまた「予約制なので先生に確認しないと見れるかどうか」というので「三時半に予約してあります」というと、問診票をくれる。状況をざっと書いて渡すと「縄文杉トレッキングで転倒して脇から胸を打って痛むのね?それはお気の毒に。で、縄文杉には行けたの?」と聞かれる。「はい、行けました」「それは良かった」というやり取りがあって、ベンチで待つように指示される。予約より早い三時前なのに、割とすぐに呼ばれて診察室へ。

「転倒して打撲ね。じゃ、肋骨レントゲンだな」とすぐにレントゲン室に回される。レントゲン技師に「縄文杉トレッキングで転倒ですか。で、縄文杉には行けたんですか?」と聞かれる。「はい、行けました。」「それは良かった。」とにっこりされ、レントゲンを撮ってもらう。しばらく待つと診察室へ呼ばれる。医師「縄文杉トレッキングだったよね。で、縄文杉には行けたの?」「はい、行けました」「それは良かった」と、医師、にっこり。何度目だ、この会話。みんな、行けたかどうかを聞きたがる。

さて、レントゲン写真を見せてもらう。「ほら、折れてる。ここ、見ればわかるでしょう。」ほんとだ。肋骨、ぽっきり折れてました。「で、で、どうしたらくっつくんです?私、どうしたらいいんでしょうか?」と我ながら馬鹿な質問。「んーとね、痛みを我慢できるのなら、何やってもいい。普通に生活してて。そのうちくっつくから。」と医師。「あれ、持ってきて。バンドね。」看護師がマジックテープのついた幅30cmほどのコルセットみたいなバンドを持ってくる。「これで固定すれば、多少は痛みが減るから。ほら、つけてみて。」ぎゅっと胸周りを固定する。「動いてみて。少しは痛みがましになるから。」体を左右にねじってみる。「本当だ、痛みがましに‥あ、いたたたた」「だから『少しは』って言ったでしょう?」医師、笑っている。

「先生、あの、私、これから明日、屋久島を半日観光して、船で指宿に渡る予定なんですが」「指宿?いいねえ。宿はどこ?楽しみだねえ」「行ってもいいですか?」「そりゃ、痛みを我慢できるなら、何してもいいて言ったでしょう?温泉、楽しんで来たら?骨も多少はくっつくかもしれないし。」と、楽しそうな医師。そうなのか・・・。「帰宅後用に、一応紹介状とレントゲンのデータあげるから。帰ってから病院に持っていって。ま、行かなくても治るんだけどね。」ですって。一度、診察室を追い出されてからまた呼ばれ、「あ、忘れてた、痛み止め、ほしい?」というから「ほしいです、ください!」とお願い。そうか、ここの病院には、私みたいな人がいままでにも大勢来たんだろうなあ。

診察が終わったのは3時半くらい。帰りのバスは3時45分があって、それを逃すと一時間後。これは間に合うかな、と思っていたら、薬の受付に、耳の遠いおばあさんがいて、何度も何度も同じ話を繰り返しているうちに、目の前をバスが走っていくのが見えた。しょうがない、お年寄りは大切にしてほしいし。うちの母も、今、あんな感じだしなあ。

試しにタクシー会社に電話してみたが、この時間帯は運転手がスクールバスと登山の送迎に行っちゃうんでいつになるかわからないし、バスをお勧めします、と言われる。バスは一時間後なんですが、というと、じゃあ、バスがいいでしょうねえ、ですって。だよねえ。

少し考えて、宿まで歩くことにする。バスに乗った感じでは、20分も歩けば帰れそうだし、動かしたほうが足はむしろ楽になる感じだし。夫に「折れてたけど、指宿には行ける」と連絡を入れて、歩く。本当に、20分ほどで宿につきましたとさ。

というわけで、屋久島で文字通り「骨を折った」私でありました。やれやれ。

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