うなドン 南の楽園にょろり旅

うなドン 南の楽園にょろり旅

2021年7月24日

46   「南の楽園にょろり旅 うなドン」  青山潤   講談社

大学卒業後、青年海外協力隊員として活動していた作者は、自らの実力不足を感じ、大学院入学を決意する。何を研究するかというと、何でもいい、ただ、特殊な機械や大掛かりなコンピューターがなければできないようなことではなく、長靴とタモ網だけでできるような原始的な研究がしたい、とそれだけが方針であった。そんな彼が出会ったのが、うなぎ。産卵場所や回遊生態が全く分かっていないうなぎの謎を解く為に、彼は南の海に乗り出し、南の島でうなぎを浸する追い続けることになる・・・。

この本の前作である「アフリカにょろり旅」を読んで、面白かったので、この本にも飛びついた。どっちかっていうと、前作のほうが面白かったかも・・とちょっと思う。それでも、東大農学生命科学学科の博士さんがやってることは、ドロドロのぐっちょぐちょの、現地の人に哀れまれるような情けない日々だったりする、というのが、やっぱり面白い。しかし、彼の研究は、確実に進歩を遂げて、今やうなぎの多くの謎が明らかになりつつあるのだ。

とは言え、立派な研究者の業績を追う、という話じゃなくて、貧乏なバックパッカーの馬鹿話を読む、というスタンスにどうしてもなっちゃうんだな。作者の、ご人徳のせいでしょうか。

2011/6/1