おばあさんのひこうき

おばあさんのひこうき

2021年7月24日

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「おばあさんのひこうき おしゃべりゆわかし ほか6編」

佐藤さとる 講談社

 

読書会用に読み返した本。この本は、下の子が小学生だったときに、小学校の土曜学校の取り組みで読み聞かせをしたことがある。
 
編み物の得意なおばあさんがちょうちょの羽の文様を真似して特別な編み方で毛糸を編んだら、それがふわふわと宙を飛ぶようになった。そこでおばあさんはひこうきを編むことを思いついたのだが・・・・。というお話。子どもの頃読んで、すごく楽しかったのを覚えている。
 
飛行機を作り上げたおばあさんはそれに乗って孫の住む街まで行くのだが、帰ってきて、どうやって降りる?という問題に出会う。そうか、毛糸のつばさをほどいていけばいいのだ、と気がついてするするほどくと、ひこうきはじょじょに高度を下げていく・・・。
 
今時の子どもたちは編み物をやったことがない子も多いし、ましてやそれをほどくというのがどういうことかもわかるまい、と思った。そこで、その読み聞かせのときには人形の椅子に毛糸で編んだつばさを割り箸を使って取り付けて模型を作って持っていった。また、みんなの前で実際に毛糸をひと針ふた針と編んで見せ、ある程度大きく編み上がったものを今度は糸を引っ張ってするするほどいてみせた。それから読み聞かせたので、割合分かりやすかったらしい。読み終えてから、模型や編み地を子どもたちに渡して触ったり、実際にほどいたりしてもらったら、なかなか好評であった。
 
そんな思い出のある物語なので、読み返すとやっぱり楽しいが、一番楽しいのは飛行機を作り上げて乗り込むまでで、実際に空に上ってしまうとそれほどでもない、と思うのは、私が高所恐怖症だから?帰ってきて、どうやって降りよう、は確かにドキドキするが、まあ降りてしまえばそれでおしまいだしなあ、とちょっとさめた読み方をしてしまった。物語に対する私の感度が下がったってことだろうか・・・・。

2017/5/28