ぼくは悪党になりたい

ぼくは悪党になりたい

2021年7月24日

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「ぼくは悪党になりたい」笹生陽子 角川書店

その昔、息子が読んだらしい本が、そのままおちびの部屋に残されていて、やっと対象年齢に到達したおちびが、それを旅本として持参。新幹線内で、本が足りなくなって、借りて読んでみた。

うーむ。まあ、青春小説なんでしょうなあ。悪党になりたい、なんつってる割には、実にまっとうな少年なんであります、主人公は。

奔放な母と、年の離れた異母弟と暮らす主人公。母が二ヶ月も海外に出張に行くので、(しかも、それはよくあることらしく)その間は八歳年下の弟の面倒も見つつ、学校にも通う。

・・ってカンタンに書くけどさあ。うちもちょうど八歳違いだから、わかるけど、どんなに奔放な母でも、八歳違いの兄弟を、上が高校生、子どもだけで置きっぱなしで海外に二ヶ月。ありえませんてば。ましてや、この物語の中では、下の子が熱を出すわ、主人公が家出するわ、トラブル続出なんだけど。たとえ、良くしてくれる大人が近くにいたとしても、無理無理。二、三日ならともかく、二ヶ月以上、ろくに連絡も取れない状態で、子ども二人を置いていったら、虐待に近い。物理的に、無理。私にとっては、魔法使いが出てくる物語よりもファンタジーだわ、この設定。

でも、そんな違和感を感じずに読むような年代がターゲットなんでしょうねえ。
はあ・・・・。

ってか、こんな物語読んで、そんなもんだと思ってたら、子育てで、手痛いしっぺ返しが来るわよねー、なんてどこまでもおばちゃん的な読み方しかできない私でした。ちゃんちゃん。

2012/9/2