みえるとかみえないとか

みえるとかみえないとか

2021年7月24日

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「みえるとかみえないとか」ヨシタケシンスケさく 伊藤亜紗そうだん アリス館

 

いろんな星の調査をする宇宙飛行士が、いろんな宇宙人のいる星へ行く。後ろにも前にも目があるので前も後ろも見える宇宙人から見たら、前しか見えない僕はとても不自由らしい。足の長ーい宇宙人のいる星や、空を飛べる宇宙人のいる星、体のやたらと柔らかい宇宙人のいる星なんかもある。
 
いろんな特徴のある人から見ると、同じじゃない人は、不自由そうに見えたり、変わって見えたりする。でも、見えるからできることもあるし、見えないからこそできることもある。
 
自分と違っている人は、よくわからないから、緊張する。でも、じゃんじゃん話しかければわかってくるし、お互いの失敗や工夫や発見を教え合えば「へー」ってなる。どんな人とも、「だよねー」って言い合えることもある。同じところを探して、ちがうところを面白がればいいんだね。というお話の絵本だった。
 
よく、「人の立場に立ってものを考えましょう」なんていうけれど、それって結構難しい。そして、それが全然できない人も、世の中にはいる。どうやって相手の立場に立てばいいか、やり方もわからないことだってある。そういう意味で、この絵本はいいヒントになる。この絵本を読んでほしいな、と思う大人を、二、三人、すぐに思いつくぐらいだ。大人にも、ちゃんと読んでほしい絵本だ、と思った。

2020/10/15