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「やっちまったよ一戸建て①②」 伊藤理佐 文春文庫PLUS
このところ伊藤理佐ブームが吹き荒れている我が家である。この本も読みたいと思いつつ、図書館にもない、TSUTAYAにもない、と悩んでいたら、建築オタクでもある夫がついに買ってしまった。買ったのは、文庫本である。老眼の入った目に、文庫版のマンガは、なかなかきついものがあるなあ。本当は、もっと大きい版で読みたかった。
男なし、お金なし、信用なし、離婚歴あり、三十路突入の伊藤理佐が、ひょんなことから一戸建てを立てることを決意してから実際に家が建つまでのドキュメンタリー。いやあ、なかなか大変でした。
伊藤理佐のすごいところは、これだけ大変なことをしっかりお笑いに仕立てていること。でも、マンガのそこここに、彼女の繊細さや誠実さがにじみ出ていることにも気がつく。
家を建てるのって、自分を知ること、人生を考えることだ、というのがこれを読むとよく分かる。すごくたいへんそうだ。無理だ。と私は思ってしまう。生まれた時から転勤族で、各地を放浪し続け、自分の家を持ったことがない私には、想像を絶する世界だ。
うーむ。我々夫婦も、いつか「やっちまう」時が来るのだろうか・・・。
2013/2/8