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「二分間の冒険」岡田淳 偕成社
最近、地元の図書館の読書会に参加している。先日は佐野洋子についての読書会が行われたのだが、これが実に面白かった。複数人で本を読むとこんなに様々な視点が得られるのか、新しい発見があるのかと、互いに高揚して言い合えるような良い会だった。
その会の参加者のひとりが所属している別の読書会に、お誘いを受けた。転勤族で、あちこちをふらふらしている私には、継続的な地元の仲間というものができにくい。が、好きなことを通じて意外なところから世界は広がるものだと感心してしまった。そちらの会の次回のテーマがこの「二分間の冒険」である。
岡田淳さんは、我が家の二人の子どもたちが大ファンである。転勤族で、何度も寂しい思いをさせてしまった子どもたちの力強い味方として、岡田淳の作品があった。二人共、彼の作品を繰り返し繰り返し読んでいた。関西在住時に、書店で開かれたサイン会でサインと写真をいただいたこともある。優しく楽しそうな方だった。
以前にも読んだことがあるはずなのだが、驚いたことに、まるで初見のように読んでしまった。ファンタジーが苦手な私の、弱々しい記憶力がいけないのだ。だが、読み返してみるとわくわくと面白かったので、むしろ忘れててラッキー、と思ってしまった。
たった二分間の壮大な冒険物語。アーサー王伝説のような選ばれし者の剣のエピソードとその展開には笑ってしまった。なるほどねー。
これは、実は仄かな恋の物語でもあるのだ。そんなことを前読んだときはあんまり意識しなかった私。野暮だなあ。
いちばんたしかなもの。
そうだ、一番確かなものって、そうだよね、と読み終えて思った。
大人にも読んで欲しい物語だった。
2014/11/21