戦友の恋

2021年7月24日

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          「戦友の恋」大島真寿美 角川書店

何でもない30代の女性の物語なんですけどね。でも、しみじみ、じんわり来るんです。華々しい恋愛もないし、怒涛の展開もないけれど、出てくる人一人一人が大事にされている感じがします。

友達が死んじゃうと、その後ずっと喪中を暮らしている感覚がありますね。別に普通に生活してるんですけど、ひょんな時に、思い出して、あー死んじゃったんだー、って思うんですよね。悲しみという感情は風化するけど、喪失感というか、穴が開いたまんまだなーという感覚はあって。

そんな感じがわかる物語でした。

2013/2/21