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「石の卵」山田英春 福音館書店
コンクリートのかたまり?
それとも、ジャガイモのお化け?
いいえ、これは「ドラゴンの卵」です。
(引用は「石の卵」より)
セプタリアという種類の石がある。表面はゴツゴツしたただの石だが、真っ二つに切ると、中には驚くような模様が入っている。
その模様は一つとして同じものはなく、名前のごとく鋭い牙や爪、翼を持つドラゴンのようだったり、人の表情のようだったり、動物の群のようだったりする。また、表面が削られて亀の甲のようになった「亀の石」もある。真っ二つに割れば、これもドラゴンの卵だ。
「雷の卵」と呼ばれる「サンダーエッグ」もある。中にはジャスパー、めのう、オパールといった美しい好物が色鮮やかな稲妻を描いている。
この絵本は写真がとても美しい。(ここに載せられないのが残念だ。)川や山に転がっている石の中に、こんな美しい世界が広がっているのか・・・と感嘆せずにはいられない。こういった石の美しさに魅せられて、「ロックハウンド(石追い)」になってしまう人もいる、と書かれている。その気持も、わからなくはない。
子どもと一緒にこの絵本を見たら、きっと川や山で石が拾いたくなる。そして、二つに割ってみようとわくわくするに違いない。
2015/6/22