バルバラ異界1~4

バルバラ異界1~4

137 萩尾望都 小学館

「マンガのあなたSFのわたし」以来、実は萩尾望都を知らない、という意識が強まって、この4巻本を図書館で借りた。読むのに非常に時間がかかる、重い漫画であった。漫画が軽くてくだらないメディアだと思っている人に読ませてやりたい。まあ、いまさらそんな風に思ってる人はいないだろうけどね。

前半二巻はとりわけ読み進むのが大変であった。恐れずに言えば、わかりにくい。ゆっくり読んで何度も考えないと時系列や関係性がわからなくなる。説明不足…というか、ごく短いセリフですべてを言い表しているので、ちゃんと見極めないと道を失う。心臓を食べたとか、夢の中に入り込むとか、老化とか、火星とか、未来とか…様々な要素が入り組んでいて、まったくステレオタイプでないために、ちゃんと向き合って取り組まないと読みこなせない。でも、理解するとすごーく深い。

後半は展開が早くなって、わかりやすい。前半に苦労した甲斐があるというものだ。そして、ぐるぐる巡る、因果の糸車。(古い!!ってか、これがわかる人、いるんだろうか・・。)ウーム、これはすごいね。小松左京と肩を並べるかも。読み終えて、ハアハアしてしまった。呼吸困難。

萩尾望都は素晴らしい。