環と周

環と周

165 よしながふみ 集英社

「きのう何食べた?22」を買ったとき、書店で隣に平積みされていたのがこれ。リアル書店に行ったからこその購入だわ。「どこにいても何度でもあなたを好きになる。」だって。いいねえ。

いろいろな時代、いろいろな立場、性を乗り越えた、環と周のふたりの様々な形の「好き」。現代、明治期、70年代、戦後、江戸時代。どんな時代でも出会い、互いを大事に思う関係性。そうだね。好きって恋愛だけじゃないもの、友達であったり、上司と部下だったり、子供と大人だったり、幼馴染だったり、夫婦だったり。どんな時代に、どんな場所であっても、出会ったら絶対好きになる、と思えるような人が私にもいる。そういう人と出会えたことを感謝している。

この歳だからこそ思うのだろうけれど、人生って、華々しいとか、逞しいとか、カッコいいとかだけが素晴らしいわけじゃない。ひっそりと地道であっても、弱々しく短くても、貧相であってもなお、与えられた時間を精一杯過ごすことは美しい。そして、そこに、共に過ごす大事な存在があれば、もうそれだけで十分豊かになる。そういうことをこの漫画は描いているのかもしれない。