ささらさや

2021年7月24日

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「ささらさや」加納朋子 幻冬舎文庫

「レインレイン・ボウ」以来の加納朋子である。人が死ぬミステリは余り好きじゃないんだが、夫が「もう死んじゃったあとだから大丈夫」と言うので読んでみた。主人公の夫が最初に死んじゃって、死んだあとで生きてる妻を助ける話だったので、まあ、大丈夫だった。

主人公は若くして結婚、赤ちゃんを出産してすぐに夫を交通事故で失ってしまう。その後、一人で生きていくのだが、人が良すぎて、騙されかけたり困らされたりすることが多くある。それを、死んだはずの夫が助けるのだ。なんだか弱っちすぎる妻だよのう、と思わないでもないが、登場する人がみんないい人ばかりで暖かくて、こういうのって悪くないよね、とは思う。小さな赤ん坊を育てる日々の描写はなんとも懐かしい。過ぎてしまえば美しい日々なのよね、そのときは大変だけど。なんてしみじみしてしまった。

それにしても、これ、映画化されてたのね。しらなかった。そうか、ガッキーか。

2017/3/1