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「くわずにょうぼう」稲田和子再話 赤羽末吉 画 福音館書店
というわけで、「くわずにょうぼう」である。これって結構怖い話だよね。低学年から行けそうだけど、臆病な子どもだと、イヤーな気持ちになっちゃいそうで選べなかった。でも、子どもって怖い話も好きだからなあ。高学年なら行けるかも。
よく働いてめしをくわない女房がほしい、なんて欲張ったことを考える男のところへ願いどおりの美しい娘がやってきて、女房になる。でも、世の中そんなにうまくいくもんじゃないものね。なぜか蔵の中の米がどんどんなくなるので隠れてみはっていると、女房が大量の米をといで、雨戸を一枚外してその上に、握り飯を作って並べていく。
じゃぎ じゃぎ じゃぎ じゃぎ
という米のとぎ音や、
ぴつっ ぴつっ ぴつっ ぴつっ
という握り飯の並ぶ音がなんとも不気味で恐ろしい。
長い髪の毛をほどくとあたまのてっぺんからにぎりめしを
ぽいっ ぽいっ ぽいっ ぽいっ
とくっちまう。
見つかったとわかると、美しい女房はでっかい鬼婆になって、男を風呂おけの中へ放り込んで走りだす。途中で男が逃げたことがわかると、菖蒲の茂った中をさがしてまわる。この、菖蒲の中を探す絵が、なんとも実に恐ろしい。
最後はよもぎの汁で死んでしまうのだけれど、よもぎって、そんなに霊験あらたかなのか・・・。
何でもなくヘラヘラと聞ける子がほとんどだとは思うが、中には怖がっちゃう子もいるだろうか。今度、試してみよう。
2015/12/2