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「なつみはなんにでもなれる」ヨシタケシンスケ PHP
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「つまんないつまんない」ヨシタケシンスケ 白泉社
ヨシタケシンスケに浸る日々。寝る前に、なつみは、みかんや毛布や、身の回りの色んなものを使って、ポットになったり、洗濯ばさみになったりする。お母さんに当ててもらいたくて、一生懸命何かになっているのに、お母さんは洗濯物をたたむのに忙しくて、全然当ててくれない。しょうがないので「なつみはどーれだ?ゲーム」をはじめて、お母さんに叱られたりする。
おかあさんの表情がいいんだな。いかにも絵本に出てきそうな優しいお母さんじゃなくて、生活に追われてイラつきもしつつ、まあ、子供のことは適度に可愛がろうとは思っている、リアルな母。読み聞かせながら、親も楽しめちゃう絵本。
子ども時代、つまんない時間は山ほどあった。大人の都合で物事は動いたからね。待たされて、じっとしていろと言われて、声も出しちゃいけない、なんて言われて。そんな中で、つまらない時間をどうやって満喫するか、考えたもんだよなあ、と思い出す。ものすごく、いろんな事を考えた。「むかしあったつまんないこと」を話すおじいちゃんは少し面白そうだった、というのもたしかにそうだったよなあ、と思う。こちらでは、お父さんが登場するけれど、このお父さんも、なかなかリアルでよろしい。
もう少し、ヨシタケシンスケを読んでみよう。
2020/10/2