ママチャリお遍路1200km

ママチャリお遍路1200km

2021年7月24日

「ママチャリお遍路1200km サラリーマン転覆隊」 本多亮

サラリーマンが必死に休暇を取って、カヌーで遊ぶ集団が、サラリーマン転覆隊だそうです。カヌー関連の著書もあるらしいですが、私は本書が、初めてです。

妻が重い病気にかかってしまって、何とか回復したものの、再発を恐れる心優しい夫は、四国をお遍路さんで回って、妻の全快を祈願することにします。でも、歩いて回るんじゃ大変だから、ママチャリでまわることにします。いつもの遊び仲間が、それにどんどん乗っかります。みんな、夫婦円満や、家内安全を祈願しながら、お遍路の旅に走るのですが、「いい年して何やってんの」と家に帰っては、妻に叱られ、また、夫婦円満の祈願のため、四国に走りに行く・・かなり、効率の悪い旅みたいです。妻の全快を願うなら、そばにいてやりゃあいいのに、休みのたびに、四国に飛んで、ママチャリで走り回って、まあ、ね、やりたいんでしょうね、妻、複雑かもね、と思います。

何を馬鹿なことやってるんでしょうねえ。これを読むと、ほんと、思いますよ。仕事もがんがんやって、遊びも半端じゃないほど、くったくたに、ぼろぼろになるまでやりつくして。宿に着くと、丸めてある布団を伸ばすことすらできずに、そのまま寝てしまう、へたり込んで動けなくなる。ひどいときは、自転車を押しながら、いびきかいて寝てる奴もいる。

吹雪の中、野宿して凍え死にそうになったり、自転車置き場で寝ちゃったり、道路でばったり倒れて、知らない人に起こされたり。菅笠をかぶっているので、顔が見えないせいか大学生と間違えられたと喜んでいるシーンがいくつかあるのですが、それは、どう考えても、分別ある中年男性がやるようなことじゃないからなんですよね。

オトコって、馬鹿ですなあ。でも、面白いなあ。中年になって、こんな馬鹿なことを真剣にやるのって、すてき。とか、ひそかに思ってしまう私も、十分お馬鹿なおばさんなのでしょう。

おもしろかったです。

2008/10/27