ミレニアム1

ミレニアム1

2021年7月24日

1112

「ミレニアム1ドラゴン・タトゥーの女」スティーグ・ラーソン 早川書房

スカンディナビア推理作家協会「ガラスの鍵」賞受賞作。夫が先に読んで、ぐふぐふと喜んでいた。面白いけど、痛いし怖いしサワキ向けではないかも、警告はしたからね、と言われたので心配になって手を出すのに時間がかかった。が、読み始めたら、ぐいぐい引っ張られた。と言っても、痛いシーン、怖いシーンを読むのはけっこう大変だったけどね。

主人公のジャーナリスト、ミカエル・ブルムクヴィストは、「名探偵カッレくん」がモデルであり、彼の相棒となるリスベット・サランデルは「長くつ下のピッピ」がモデルであるという。うーむ。

カッレくんがモデルだというミカエルは、真面目で誠実で、そして、モテモテである。しかも、自分がモテていることに無自覚だという、もう、男の理想である。に対して、ピッピがモデルだというリスベットは、あまりにも不公平な扱いを受けている。とらえようがなく、自由で天才的。でも、自己肯定ができない不安定感は、ピッピにはふさわしくない。あんまりだわ。

女性やLGBTなど、弱いものが暴力や差別にさらされることに対する強い異議申し立てが物語の根底にあることははっきり読み取れるが、その解決法に疑問を感じる部分もあるし、何より、リスベットの人物像に違和感がある。それは、二巻、三巻と読みすすめる内に違った印象になるかもしれない、とも言われたが。

いずれにしても、ミステリとしては非常に秀逸であり、自宅にこもらざるを得ないこの時期に、この本を手元におけることは大いなる助けになると思う。

ところで。日本会議について勉強してみた話を書くことで、何らかの問題が起きるのではないかと多少の不安を持っていたのだが。昨日曜日に、日本会議の記事へのページビュー数がぐっと増えた。訪問者数はそれほど増えていない。ただ、それだけのことだが、一応、記載しておく。ちなみに、震災後、原発に関する記事を書いた際にも似たような現象があり、不愉快なコメントが押し寄せたことも、付け加えておく。

2020/4/20