16
「ヨーコさんの”言葉” わけがわからん」佐野洋子絵 北村裕花絵 講談社
「ヨーコさんの言葉」第三段である。
たとえば、花をいけるのがとても上手だけれど、裁縫はからっきしの友達。料理がものすごく下手くそだけどビジネスで成功した女性。みんな、神の手を持っている。ロダンもモーツアルトも神の手を持っていたに違いない。それは神様の間違いなのだろう、と。
月は見るもんだ、行くもんじゃない、ましてや石を持ってくるもんじゃない。とか。
女はボケてもしゃべっている。男はそれぞれが個人で新聞を読んでいる。くだらない無駄話が出来る男は貴重である。とか。
余命二年と宣告されたら、十数年苦しんだうつ病が消えた。人生が急に充実してきた。
などと書いてある。そして、最後に、
「私の一生はいい一生だった」と思える。
(「ヨーコさんの言葉 わけがわからん」より引用)
で終わっていた。泣きそうになった。
佐野洋子は偉大だ。
2017/4/26