のっけから失礼します

のっけから失礼します

2021年7月24日

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「のっけから失礼します」三浦しをん 集英社

 

「BAILA」という雑誌の巻頭エッセイを集めた本らしい。私は「BAILA」という雑誌を見たことも手にとったこともないのだが、かなりおしゃれなファッション雑誌らしい。
 
駄目でしょう、その巻頭にこれを載っけちゃ、というエッセイの集積である。そもそもこの本は夫が借りたのだが、「どうだった?」と聞くと苦笑いしながら「三浦しをんの小説はあんなに素晴らしいのに、どうして日常生活はこんなに人として駄目なんだろうなあ」と言っていた。確かに。
 
風呂にも入らず、顔も洗わず一週間くらいは普通に生活して、風邪をひいて熱が出たけれど、風呂に入っていないので自分が臭くて、それが恐ろしくて医者にも行けないで寝込んだ、とか。動かない生活をしていたら体重が推定三十トンになったとか。仕事の締切が迫っているのに、気がつくと指がDVDの穴に入り込んでいる、とか。
 
あとがきのあとには、心のきれいな人にしか見えないインクで刷られている、和歌山にパンダを見に行った旅行記兼もう一つのあとがきが載っている。心のきれいな私には読めましたが、夫、読めたかどうか、聞くのを忘れたぞ。ということは、読めてないかもしれないから、黙っていてやろうっと。

2020/1/20