不穏な眠り

不穏な眠り

2021年7月24日

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「不穏な眠り」若竹七海 文春文庫

おなじみの葉村晶シリーズ。葉村晶は、少し前にNHKでシシド・カフカ主演でドラマ化されていた。確かにキャスティングは間違ってはいないと思うんだが、なんだか重っ苦しくて後味が悪いドラマであった。原作はもっと軽みとユーモアがあるんだがな。

で、実際に原作を読んでみると、あらまあ、もう、葉村晶がシシド・カフカの顔つきで出てきちゃう。なんて単純なの、私。そして、たしかに後味の悪いものも、ある。それでも全体にはやはり軽みとユーモアがあって、ドラマを見たあとのあのどよ~んとした気持ちにはならないで済むのを確認。これって、私が映像に対して耐性がないということだろうか。実際、最近、「ダーティ・ハリー」を見たのだが、それだってしんどくなって途中で止めて、続きは翌日、を繰り返さないと見られなかった。本ならたいていは一気に読めるのにね。

それはともかく、葉村晶は一定水準で面白い。面白いけれど、読み終えてしばらくすると、一体どんな事件だったっけ、があんまり思い出せないんだよね。これも、私の老化に起因するのかもしれないけれどさ。

2020/4/15