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「ねがいごと」マリー・ンディアイ 駿河台出版社
「三人の逞しい女」のマリー・ンディアイが書いた児童向けの本。寓話的要素が強すぎて、果たして子どもが読んでどこまで受け止められるのか、とも思った。とは言え、全てを受け止めることだけが正解じゃない。と言うか、私の読み取った寓意が、作者の願いと同じであるなんて言えないよな、とも後から思う。私は、傲慢な読み手になってしまっているのか。
「三人の逞しい女」に、子どもが欲しくて欲しくてたまらないのに授からない女性が登場したが、この本には、子どもが欲しくてほしくてたまらなくて、クリスマスごとに、いもしない子供のためにプレゼントを買い漁る夫婦が登場する。で、ある日、子どもがやってくるのだが、両親の愛があまりにも溢れすぎていて、自分たちの願いどおりに子どもが振る舞って幸せになることを望みすぎていて、子どもは息苦しくなる。で、子どもが無意識にやってしまったことは・・・というお話。
愛は支配とは違う。愛は、望みを叶えるためにあるわけでもない。ということなんだなあ。親の願う幸せが、子どもにとって本当の幸せであるとも限らないしね。まあ、そういうことだ。子供でもあり、親でもある私には、なんとも耳の痛い、それでいて分かりすぎるくらい分かる物語ではある。
この本を子ども部屋においたまま、こっそり家を出たい子どもも世の中には結構いるかもしれないね。お父さん、お母さん、これを読んでね、と置き手紙して。
2019/8/5