二流小説家

二流小説家

2021年7月24日

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「二流小説家」デイヴィッド・ゴードン 青木千鶴 訳

図書館でリクエスト殺到の本。随分前に予約して、待たされて、そしてそのことを忘れた。夫が図書館からこの本を受け取ってきたことは知っていたけれど、自分の予約の記憶がなかったので読みもせず、そのまま返した。夫も特に勧めなかった。それから数週間が経ち図書館から受け取って初めて夫と重複して予約していたことに気づいたのだ。もう、なんでこれを読みたいと思ったのかすら忘れてしまっている。書評かな?

というおマヌケな経緯の結果、読み始めた。最初は良かったのよ。二流の小説家が、いろんなペンネームを駆使して、ポルノからSFからヴァンパイヤものから、様々なジャンルでそこそこ書いているけれれど、自信なんて全くない。だけど、ある時、殺人鬼の死刑囚から告白本を書く依頼を受ける。本を書くために、様々な出会いがあり出来事があり、そして、彼は自分の価値に気づき始める・・・という本だと思ったのよ。そしたら、ちょっと違った。

電車の中で読んでいて、真ん中あたりで、「えー、こんなはずじゃなかった、こんなことになるなんて」と口走ったら、たまたま隣にいた夫が「だから勧めなかったのに、向かないなって思ったんだよ」と苦笑した。

私の望むような展開が、面白い小説になるなんてことはないんだろうけれど。それにこれ、ハヤカワ・ミステリなんだわ。やれやれ。怖い夢を見そう。でも、面白かったのよ。趣味じゃないけど。

2011/9/30