今更ながら、高校生クイズ

 

 

もうかなり前に放映されていましたが、録画しておいた高校生クイズをやっと見ました。
 
昨年までの知力だけを競うスタイルから、ひさびさに知力、体力、時の運を競うスタイルに戻っていたのですね。知力だけの対決だと、すごいとは思うもの の、一体何を問うているのかすらわからない場合もあって、正直、あまり楽しめませんでした。だから、このスタイルに戻って、凡庸な私としてはとても嬉しく 思っています。
 
知力偏重ではなかったおかげで、常勝校が敗退したのはお気の毒でした。名門校のクイズ研究会の皆さんはさぞかし歯噛みしたでしょうね。先輩 たちに後輩がどやしつけられているのが見えるようです。来年に向けて、すでに対策を練りだしているのかな、なんて想像してしまいます。来年は、頑張れ。
 
今年の華は、なんといっても長野高校のミコシバさんでした。笑顔で行動力にあふれた彼女は本当に魅力的。彼女を囲む、真面目なのっぽ男子とおっとりしたぽっちゃり男子も良いコンビネーションでした。
 
ミコシバさんが一人でエッフェル塔まで走ってきたとき、思わずのっぽの方に抱きついてしまって、ぽっちゃりくんが言うに言われぬ悲しそうな顔を見せたのが印象的。でも、その後も良いチームワークでした。
 
最後に体力勝負になったのは、女子とぽっちゃり男子のいる長野高校にとっては不運だったなあ。せっかくの高校生クイズ、やっぱり最後はクイズで勝負して欲しかったと思ってしまいます。
 
それにしても思ったのは、高校生のコミュニケーション能力の低さです。タイやフランスで、地下鉄や水上バスなどの公共の交通機関を使って指定された場所に 行って、ミッションを遂行するのですが、どちらも英語が通じにくいお国柄のようです。だとしても、周囲の人にどんどん教えてもらうのが最も効率的だと思うのに、彼らは、考えこんだ り、話しあったりするばかりでなかなか行動に移せない。切符の買い方、路線の選び方、全部、目的地を示して、どうやったらいいの?と聞いちゃうのが一番早い のに。
 
ミコシバさんはそんな中で、例えばお菓子を売る時に、子どもに話しかけてアピールしたり、フランスの書店で一番人気の漫画を知るために、立ち読みしているお客さんに尋ねて回ったり、抜群の行動力、コミュニケーション力を発揮していました。男子たちは、言葉が通じないとジェスチャーでもじもじと尋ねたりしていたけれど、ああいう 時は、日本語でもいいの。ちゃんと気持ちをこめて聞けば、心は通じるもんです。
 
広島大学付属の男の子が、エッフェル塔へ地下鉄で向かうとき、正しい電車に乗っていたにもかかわらず、これでいいのかどうか心配になって一時下車してしまい、遅れてしまいました。もし、乗っている間に車内の乗客に確認しておけば、彼は降りずに済んだはずです。目的地を紙に書いて、「OK?]と聞くだけでも良かったのです。
 
とある番組で千原せいじがアフリカに行く旅をやっているけれど、彼はどこへ行っても物怖じせずにどんどん現地の人に「ここへ行くにはどう行ったらええの?」 「ほなら、連れてって?暇やろ。」とガサツさを存分に発揮して目的地を探しあてています。あそこまで行くとやり過ぎなのかもしれないけれど、彼の行動には、周囲の人達はきっ と自分を助けてくれるという信頼が感じられます。と共に、「自分はきっと受け入れられる」という強い自信も垣間見えます。ああいう強さが、高校生たちには 足りなかったのかもしれない、と改めて思うのです。
 
それにしてもミコシバさんは素晴らしかった。優勝したのは慶應義塾の男子三人組ですが、彼らの印象はちょっと薄い。本当の勝ち組はミコシバさんです。ああ、今、私が高校生だったらなあ。だったとしても、やっぱり家でテレビを見てるだけだったんだろうけどね。
 

2013/9/26