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「地図を破って行ってやれ！」 石田ゆうすけ 幻冬舎
作者は、自転車であちこちを旅する人であり、いろんな場所をとにかく「一周」することが好きらしい。自分の住んでいる東京（築地から奥多摩まで）を一周してみたり、茨城県や高知県を一周してみたり、種子島、屋久島、口永良部島などの島や北海道、三陸をぐるっと回ったりしている。
ひたすら回っていると、いろいろな人に出会い、美しい自然に出会い、美味しいものに出会う。もちろん、楽しいことばかりじゃなくて、大変なこともあるけど、全体的に楽しい物に仕上げているので読んでいて嬉しくなってくる。
彼は2010年の夏に三陸を一周していろいろな人に親切にしてもらった。そんな彼が2013年4月にもう一度三陸を回っている。好きだった宿が倒壊していたり、美味しかったお店がなくなっていたり。でも、その中で、みんながんばって前を向いて生きている。つらいこと、悲しいことを乗り越えて日々を生きている。
明日も、生きていこうー。
という彼の締めくくりの言葉が素直に胸にしみる、そんな気持ちのいい本だった。
2014/2/3