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「歪笑小説」 東野圭吾 集英社文庫
出版社の編集者と作家との関係を描いた短篇集。お笑い小説のように見せかけて、実は暴露本というか、告発本というか。
これは、あの作家のことではないか、それは、例のあの事件のことではないか・・・と考えだすと、結構、ブラック。
文学賞の選考委員の話など、「表裏井上ひさし協奏曲」を思い出してしまった。成功委員を辞めない限り、隠然たる力を持てるからなあ、作家は。井上ひさしは、文学賞の選考委員は数年でやめたほうがいいと司馬遼太郎にアドバイスされていたのに、結局、最後まで辞めなかった、と西館さんが残念そうに書いていたっけ。
直木賞をとっちゃったから、書けたのかな、これ。
これを書いたことで、何か問題は起きなかったのか・・と心配になるような本だった。
2012/7/13