飛び立つ季節

3 沢木耕太郎 新潮社 「旅のつばくろ」の続編となる本。前作と同じようにJR東海の「トランヴェール」という車内誌に連載されていた旅のエッセイをまとめたものであ…

失踪願望。  コロナフラフラ格闘編

154 椎名誠 集英社 椎名誠は、「本の雑誌」を始めた若い頃から知っている。若くて勢いのある、力強い人だった。いろんなところを力づくで体ごとぶつかるように旅を…

土を喰ふ日々  わが精進十二ヶ月

151 水上勉 文化出版局 ジュリーファンである。そもそもが「サワキ」という名は、本名とは何の関係もなく、ジュリーから連想したものである。沢田研二の「サワ」に…

語学の天才まで1億光年

149 高野秀行 集英社インターナショナル 高野さんは、新刊が出たら即買い作家のひとりである。「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、誰も書かない…

芝居と寄席と

141 京須 偕充 青蛙房 今はなき「伊集院光とらじおと」にこの作者がゲスト出演しているのを聞いた。六代目三遊亭圓生の「圓生百席」のレコード化のプロデューサー…

もういちど、あなたと食べたい

137 筒井ともみ 新潮社 作者は脚本家。映画「阿修羅のごとく」で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞している。 作者が食を共にした、故人である俳優、映画人など…

心はどこへ消えた?

109 東畑開人 文芸春秋 「居るのはつらいよ」以来の東畑さん。ぐずぐずと愚痴を言いながら職務にまじめに取り組む心理士さん、実は凄腕の人であるが、そうは言わな…

ムスコ物語

97 ヤマザキマリ 幻冬舎 「テルマエロマエ」の作者、ヤマザキマリによる息子にまつわる物語である。この人、漫画だけじゃなくて、文章もいけるんだ。美ら海水族館の…

橋本治のかけこみ人生相談

90 橋本治 幻冬舎文庫 私の好きな人はすぐ死んでしまうシリーズの一人である。ああ、なんて不吉な表現、と自分で自分を叱ってしまう。彼は晩年、ひどい借金を返すた…