おじさんのかさ

おじさんのかさ

2021年7月24日

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「おじさんのかさ」 佐野洋子 作・絵 講談社

読み聞かせのテーマで、雨に関する本といって、最初に思い出したのが、これでした。息子が一年生の時の教科書に載っていたんですよ。それでね。残念だけど、教科書で読んだら、つまんなかったんです。何が面白いのか、よくわからないお話になっていた。なぜなんでしょうね。

改めて、絵本を開いてみると、ものすごく面白いんです。おじさんの表情、「かさがぬれるからです」の繰り返し、そして、小さな男の子にかさに入れてと言われて、おっほん、と聞こえなかったふりをするおじさんの様子。ひとつひとつが、つくづく面白い。

教科書って、本の楽しみを破壊する効力があるのだろうか。と、しみじみ思ってしまいました。

「あら、かさをさしたんですか。あめがふっているのに。」という奥さんのセリフも、絵本だと、じわじわ、おかしくなってくる。教科書だと、ただの頓珍漢なおばさんみたい。あーあ、教科書、かたなしです。しょうがないかな。

所要時間は五分半ほど。これをメインに持ってきて、小さい絵本でつなぐ手もあるなあ。もうしばらく、考えてみます。

2012/5/17