おなかがすいた、ハラペコだ。

2021年7月24日

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「おなかがすいたハラペコだ。」椎名誠 新日本出版社

 

昨年末に出た本。「女性のひろば」という雑誌に連載していたらしい。
 
シーナというと、最近ではどうも「雑魚つり隊」のイメージが強い。男どもがわらわらと集まって馬鹿げたことをやっては、わっはっはと笑い合う場面ばかり浮かぶ。それはそれで楽しそうではあるのだが、この本はそうした集団心理に乗っからないシーナ個人の食生活がメインとなって描かれているので、あちらよりはやや穏やかで、食べ物への思いがストレートに伝わってくる文章が多い。
 
若い頃から彼は玉ねぎ好きで、いろいろな著作の中で玉ねぎを褒め称えているが、この本も例外ではない。たまねぎのおかげで血圧も安定したと断言してあるが、そんなに効くのかなあ。我が家も生玉ねぎを刻んで作る自家製玉ねぎドレッシングを欠かしたことがないが、夫の血圧はやや高めのままである。
 
それとともに、シーナが贔屓しているのが羊肉で、私もこれには大賛成である。世界の食卓で最も多く食べられ喜ばれているのが羊なのに、どうして日本じゃあまり喜ばれないのだろう。それでも最近は大きめのスーパーで普通に羊肉を売るようになったから、進歩はしたのだろうけれど、あれは臭くって嫌だという人結構いる。うまいのになあ。
 
羊を大きくすると「美」なのである、という指摘には大いにうなずいてしまった。

2016/9/6