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「かなたの子」 角田光代 文藝春秋
ううう、読まなければ良かった。そこら辺のホラー小説の数倍こわい。と、わたしは思う。
最初の二編(ワンセットになってる)を夜、読んでしまったら、もう、絶対嫌な夢をみるぞと思って、寝たくなくなったほどだ。私ってば、寝る前に変なテレビを見たり本を読んだりすると絶対夢に出てくるのだ。
最初の二編は、即身仏の話と、子どもたちのスーツケース遊びが招いた事故の話。読んでいて、息苦しくて怖くてたまらなかった。二編目の、暗いところで寝ていて目が覚めた時の恐怖感なんて、真に迫りすぎ。閉所恐怖症になりそう。
案の定、嫌な夢を見た。閉じ込められた夢じゃないだけマシだったけれど、どうしても行きたいところに行きつけない、やっと着いても拒絶される、絶望的な夢だった。目が覚めても、暫く気持ちがざわざわしていた。
角田さん、うまいからなあ。でも、なんでこんな怖い本書くんだろう。救いもあるのかもしれないけど、私には怖さが勝ってしまって、ちっとも救われない。表紙の絵も怖かったよお。
2012/6/9