ご本、出しときますね?

ご本、出しときますね?

2021年7月24日

89

「文筆系トークバラエティ ご本、出しときますね?

BSジャパン/若林正恭:編 ポプラ社

最近、オードリー若林推しである。彼はなかなかお利口さんで、いいぞ、と思っている。臆病さと繊細さと賢さが微妙に混じり合っていて、その混じり合い具合がよろしい。

この本は、小説好きの若林が幸運にも一緒に飲みにいけるようになった小説家の人たちとの会話を番組にしたいとテレビ東京のプロデューサーに持ちかけたところから始まった番組の書籍化である。知っていたら見たのになあ。

小説家が高尚なことを話しているかと思ったら全然そんなことはなく、それは人としてダメだろ!的なことばかり話している。小説家って変なやつばっかだ、と思ったりもする。でも、いろんなところで、ぐっとくる。ほほう、と思う。驚いたことに、人見知り芸人のはずだった若林が、すごく上手に場を仕切っている。

登場しているのは、朝井リョウ、西加奈子、長嶋有、加藤千恵、村田沙耶香、平野啓一郎、山崎ナオコーラ、佐藤友哉、島本理生、羽田圭介、藤沢周、海猫沢めろん、白石玄、中村航、中村文則、窪美澄、柴崎友香、角田光代、尾崎世界観、光浦靖子。かなり豪華な面々だ。

トークの最後には、それぞれの作家がおすすめの本を一冊紹介している。私の好きな岸本佐知子が翻訳している本の多さには驚く。小説家は岸本さんが好きなのか。

角田光代の小説の凄さと、サンドウィッチマンの漫才の凄さを並べて語れる若林と西加奈子には驚いた。すごく納得した。流石である。

2017/8/30