ちびっこカムのぼうけん

2021年7月24日

77

「ちびっこカムのぼうけん」神沢利子 理論社

 

小学校三年生くらいのときに読んだ覚えがある。懐かしいわ・・・・と言いたいところだが、あんまり覚えていなくて新鮮に読めてしまった。所々、なんとなくうっすら思い出す部分もなくはなかったが。
 
昔話を読んでいるようだ、と感じたが、なるほど、その通り、カムチャッカに伝わるガムリイの伝説が元になっているそうだ。ガムリイという山の霊が夜な夜な海で大鯨を捕まえて火山で炙って食うという伝説だ。
 
カムは元気な男の子で、病気のお母さんを救うためにイノチグサというどんな病気も治す草を探しに行く。そこで、いなくなったお父さんの行方についても聞くことができて、イノチグサを見つけた後も冒険を続け、お父さんとも再会をはたす。たくさんの動物の仲間達に助けられながら、強い意志と勇気を持ってカムは進んでいく。
 
古臭いかと思っていたが、意外に最後までわくわくと楽しめてしまった。物語は単純だが、それが逆に昔話らしいシンプルな構成となっているのかもしれない。毎日少しずつ読み聞かせてやったら、低学年の子達なんて喜びそうだがなあ。

2015/9/24