札幌・利尻・礼文旅行記2

札幌・利尻・礼文旅行記2

2021年7月24日

さて、翌日。朝食の美味いホテルランキングに毎年入っているという朝食をいただく。確かにイクラを始めとする海産物も豊富だし、おかずの種類も多く、ご 飯、パンのバラエティも富んでいる。ただ、人数に対してテーブル数が少ない。バラバラにカウンター席をとって食べる。食べながらふと見ると、ロビーには 待っている人の行列が。なんとなく落ち着かない気分で食べ終え、部屋へ戻る。

昨日、八仙からススキノへ歩いたのはかなりきつかった、とまだ文句をいう私。そんなにきつかったかなあ、と夫。いや、私は足に来てますって。病み上がりだからかなあ。

利尻へ向かう飛行機は13:10発。旅程に無駄が多いのは、飛行機のチケットがうまく取れなかったせい。まあ、その分のんびりしましょう、というわけで 10:00にホテルをチェックアウト。ロビーに来るはずの息子が来ていない。忘れ物をしたので、札幌駅で待っていて、だと。まったく。そういうとこ、あいつはいつ までたっても変わらないよなあ。

札幌駅でようやく息子と合流、千歳空港へ。お昼を食べよう、と空港をうろつく。最初は回転寿司に行こうと言っていたのだが、前にあった店はもう撤退しちゃったらしい。迷いに迷って、スープカレー。これがなかなかの美味しさでありました。

やっと飛行機に搭乗。眠くなっちゃって、気がついたら飲み物ももらわずぐうぐう寝ていて、あっという間に利尻空港着。バスでターミナルまで行くのだけれど、タラップを降りたら後ろに美しい利尻富士が見える。

空港には宿のお迎えが来ていた。宿の名前は、なんとびっくり、「雲丹御殿」というのだ。以前、伊集院光が「深夜の馬鹿力」の中で褒めていた宿だ。

着いたら、もう3時過ぎくらいだ。前日に宿に電話して、自転車を借りることにしていた。最初、なんだか話が通じないと思ったら、相手はレンタカーと勘違い していたらしい。そもそも利尻礼文を旅するとなると、レンタカーが当たり前らしく、我々のように自分の足だけというのは学生さんたちくらいのようだ。「レンタ サイクルのことなのよ、私が言ってるのは。」と言ったら少し笑いながら「自転車なら無料でいくらでもお貸しします、あんまりいいものではありませんが」 ですって。潮風ですぐに錆びちゃうんだそうだ。鍵をかけなくても取られたりしない程度なんで、というので少し不安になる。利尻島はぐるっと廻るサイクリン グロードが整備されている、とこれまた伊集院光がラジオで言っていたっけ。

荷物をおいて、早速、自転車に乗る。なるほど、ちょっとぼろいけど、走れることには間違いない。近くの入口からサイクリングロードに出て、姫沼というところまで走る。結構な上りがあったり、高い橋があったりで苦労も多いが、緑が深く、風が気持ち良い。頑張って姫沼につくと、そこは美しい場所であった。


姫沼を歩いて一周する。鳥のさえずりが聞こえ、花が咲いている。静かな場所だ。
そこから今度は海へ向かって走る。下りはなんて気持ちいいんだろう。

突き出て見えるのは、ペシ岬。海が穏やかで美しい。展望台では猫がのんびりと昼寝していた。
海沿いを走って、宿を目指す。が、これが結構な上り坂だ。頑張って頑張って走っていたが、最後は音を上げて、押して歩く。

遠くに宿が見えてきた。最後の力を振り絞って、宿へ着いた我々。

雲丹御殿という、まるで「さんま御殿」の向こうを張ったような名前の宿は、ツインベッドに和室もある、OLさんたちが好みそうな小洒落た部屋のしつらえだ。なんでこの名前にしたんだろう?

へとへとになって宿に戻った我々は、すぐに入浴。なんと、お湯の中には巨大な昆布が敷かれている。だ、だし汁・・・?ちょっとぬるぬるするけど、うーむ、お肌にはいいのかも。他に客はいなくて、貸切状態。

風呂あがりのビールを楽しんでいるうちに、夕食の時間となる。食堂に行くと、おお、ずらりと並んだ魚介類。とにかく、雲丹がすごい。ムラサキウニとバフンウニの二色のお造り、焼きウニ、茶碗蒸し。殻ごとの雲丹がテーブルに並べられ、あれはなんというのだろう、雲丹を割る専用の道具でバシッと割ってくれる。中にある身をスプーンですくって食べるのだ。雲丹は、割られて中を食べられているというのに、殻ごとかたかたと動 く。おい、君、もう中身が無いんだぜ。食べられちゃったんだぜ、と教えてやるも、まだ、カタカタ。他にも、エビやらホタテやら、新鮮な魚介類が並ぶ。

夢中になって食べていると、食堂の向こうで日が沈んでいく。

前日のすすきのウォーキングと本日のサイクリングの疲れでぐったりとなってしまった我々は。雲丹だらけの胃を抱えて、早々に眠りについたのであった。

←1へ戻る  3へ続く→

2015/8/28