どこにでも神様 知られざる出雲世界をあるく

どこにでも神様 知られざる出雲世界をあるく

2021年7月24日

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「どこにでも神様 知られざる出雲世界をあるく」野村進 新潮社

 

全国規模の転勤族の上に旅好きなもんで、日本中結構あちこちに行ったことはあるんだが、何故か島根県に入ったことがない。この本は島根県のあちこちを歩きまわって書かれている。出雲大社を始めとする出雲の様々な神社と水木しげるロードと、石見神楽が大きな三本のテーマとなっている。
 
出雲大社を始めとする様々な神社は古い古い歴史を持っていて、それをたどっていくと神話時代の歴史につながる。大和朝廷の成立と、かつてあった出雲朝廷との関わりなども見えてくるばかりか、バリ島の神事との類似性から、遠い昔、海を渡ってこの国にやってきた人々のことまで思いを馳せることができる。
 
水木しげるという人の凄さと、それが島根という土地にどの様に生かされているかも見えてくる。ああ、一度行きたい、水木しげるロード。
 
そして、石見神楽。現地では、幼稚園児が、当たり前のようにヒーロー戦士モノのマネっこ遊びをするかのごとく、石見神楽を踊る。クリスマスプレゼントに石見神楽の道具をねだる。そうやって脈々と受け継がれる伝統芸能の底力を教えられる。これまた、見たいものだ。石見神楽、いつかきっと見てやる、と固く誓う私である。
 
島根県、待ってろよ。

2018/11/19