129
「にぎりめしごろごろ」小林照子 再話 赤羽末吉 画 福音館
三年生に読む本を探して、試しに読んだ本。
赤羽末吉の絵が素晴らしい。おじいさんの着物や風呂敷などの僅かな色合いがいいな、と思っていたら、森蔭から青鬼、赤鬼が集まってくる色彩も実に美しい。
木こりの爺さまがにぎりめしをお堂の地蔵さまのところにころころころがしてしまったので、二つに割って土のついた方をじいさまが食べ、きれいな方を地蔵様に差し上げる。すると、地蔵様がお堂の中に隠れていよ、という。夜になると鬼たちが集まって大騒ぎするので、鶏の真似をすると鬼たちは慌てて帰っていき、爺さまは鬼たちの忘れ物をたくさんもらって帰る。それをうらやんだとなりの爺さまがまねっこをするが・・・・。
「おむすびころりん」的な話かと思ったら、こぶとりじいさん的要素もある話であった。なかなか面白いのだが、結びの場面が、なんというか、ややスプラッタ気味で、私としては苦手な展開だった。さらっと読めば面白いのだろうけれど、「キングダム」とか読んじゃった後だと、ちょっとつらい。なので、これは読み聞かせには使わない。
もちろん、お母さんがお膝の子どもに読んであげる分には全然問題ないと思うけどね。
2016/1/12