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「一切なりゆき」樹木希林 文藝春秋
そりゃあ、ジュリーファンでしたからね、わたくし。壁にジュリーの写真を貼り、腰を振りながら「ジュリ～！」と絶叫するおばあさん役の樹木希林（当時はまだ悠木千帆だった）は子供時代からチェックしていた。当時は、コミカルな芝居の上手いバイプレイヤーという位置づけだった。
若い女優をはらませた久世光彦と喧嘩した話を聞いて、面倒な人だな、と思ったのも覚えている。樹木希林という芸名に変わったときはぶったまげた。それから、内田裕也との結婚のあたりは、変人感が更に強まっていた（私見です）。二人の間に生まれた也哉子ちゃんのエッセイ集が非常に面白く、それでちょっと見直したのを覚えている。
コミカルなだけでない役を見るようになって、この人、いいわ、と思うようになった。夢千代日記で吉永小百合と共演して、すごい存在感だと思った。以後、どんどんこの人の演技力に感服するようになる。
この本を最初、市立図書館にリクエストを出したときは、何百人もの人が前に待っていた。その後、県立図書館でゆっくり買い整えられたのを発見、予約してみたらあっという間に手に入った。市立じゃまだ数百人待ちのまま。もちろん、キャンセルしましたけどね。人気のない図書館のありがたみをまた感じてしまった。
この本は、いろいろな雑誌に載った樹木希林のインタビュー記事の切り貼りである。雑誌フリークである私は、樹木希林の喋る言葉はわりに面白いので図書館などでチェックして結構読んでいた。未読のものは少なかったな。そして、一冊の本に仕立ててまでありがたがるほどのことはないような気もした。
樹木希林の凄みは、やはりスクリーンやテレビ画面の中で見るものでしょう。
2019/4/16