夜明けの図書館

夜明けの図書館

2021年7月24日

111~116

「夜明けの図書館1~6」埜納 タオ  双葉社

以前に第一巻だけ読んだことがある。今回は夫が借りてきた。まだ続巻はあるらしいが、とりあえず、これだけ。

図書館司書によるレファレンスがテーマである。前向きで予定調和の物語が続くが、日本生まれの、ハイチ人と日本人のハーフの子のアイデンティティにまつわるエピソードだけは一話で完結せず、三回に渡って展開した。それくらい書けないと描ききれないテーマだったのだと思うし、非常に誠実なやり方だと思う。

ネットで何でも調べられるような世の中だが、それでも図書館でなければできないことだってある、とこの漫画は訴える。そうだと思うよ。古くからの記録や、紙媒体でないと伝えられないものだってある。90歳を過ぎた郷土史家のおじいちゃまが脇役で活躍されるが、こういう方の存在も、ものすごく貴重だ。図書館って、その土地の知識と教養と歴史と思い出の集結した場所だ。大事にしなくちゃ、とつくづく思う。

本は良いよ。とても良い。いながらにして、時空を超え、宇宙を超える。こんな豊かなものから離れてしまうのはもったいない。もっと本を読もうよ、みんな。

2020/10/28