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「やっぱりおおかみ」 ささき まき さく・え 福音館書店
高学年にどうかなあ、と借りて来ました。うーむ。この絵本に出会って、すごく好きになる子は絶対にいるはずです。でも、そういう子は、きっと読み聞かせを好みません。というか、この絵本を読み聞かせられても困ると思うのです。何かの拍子に、見るとはなしに見てしまい、ん?と思いながらつい読んでしまったら、ああ、これは俺のことだ・・・と思うような、そんな絵本なんでしょう。
難しいなあ。この絵本をほんとうに必要としている子に、どうやったら渡せるのかしら。
もういないと思われている狼が、実は一匹だけ残っていて、仲間を探しているのです。うさぎだらけの町で歩いていると、避けられ、怖がられます。
「け」
とおおかみはいいます。
うさぎはごめんです。でも、やぎやぶたの町に行っても仲間はいないし、しかになれたら楽しく遊べるのに、と思っても自分はおおかみのままです。
おれににたこはいないんだ
とおおかみは言います。そして、気球を飛ばします。
やっぱりおれはおおかみだもんな
おおかみとしていきるしかないよ
「け」
きっと、この絵本に出会って救われた気持ちになる子がいます。
これを読んで、そっと「け」という子が、絶対にいます。
そういう子に、この絵本を届けたい。
どうやったらいいでしょう。
読み聞かせるとしたら、2分と少しです。
(引用は「やっぱりおおかみ」ささき まき より)
2013/7/8