エミリー・ウングワレー展

エミリー・ウングワレー展

2021年7月24日

本当はやらなくちゃいけないことがたくさんあるんだけど。
えいや!って全部放り出して、今日は新国立美術館にエミリー・ウングワレー展を見に行っちゃいました。

良かったっす。
なんだか、心が清々しました。
80歳過ぎてから、亡くなるまでの八年間に2000点以上の絵を描いたアボリジニのエミリー。
点描や、ひたすら力強い線の絵が、もう、心にどしどしとエネルギーを注ぎ込んでくれたみたいで、途中から、にまにま笑ってました。

エミリーが絵を描いている映像も見たんですけどね。
全く、ためらいがない。
確信している。
うまく見せようとか、いい絵を描こうとか、そんな気持ちも全然ない。
ただ、思うままに、描いている。
そういえばおちびが絵を描くときも、こんなだなー、なんて思いました。

ボディペインティングが、彼女の絵の出発点です。抽象画などという概念すらない、近代美術など全く知ることもない彼女が、こんな素晴らしい絵を描き続けたことに、圧倒されます。

たぶん、素晴らしい絵を描いた人は、かつてもたくさんいたのでしょう。でも、その絵は、体に描かれては消え、描かれては消えしていったのかもしれません。
素晴らしい藝術なんて、飾られて、鑑賞されるから素晴らしいのではなく。その人の持つ力が、表出されて、それが誰かの心を打って、忘れられても、消え去っても、それが無意味なんてことは無く。

人が生きていくということは美しいなあ。
なんて思いました。

2008/7/17