「グアテマラの弟」 片桐はいり
四角い顔の、女優さんをご存知だろうか。
たまにCMや、ドラマの脇役になったりもする。
不思議な存在感のある、一目見たら、忘れられない。
片桐はいりの弟は、大学を出て、大学院まで出て、ふらふらと中南米に行き、グアテマラで年上の奥さんと連れ子と暮らし始め、語学学校と薬局を経営している。
グアテマラまで行ったきり、何年も帰らない弟に会いに、片桐はいりは、大きなファクシミリの機械を担いで、遠路はるばるグアテマラまで、会いに行ったのだ。
ネットの発達は、世界を狭くする。
そのご、IP電話で繋がった弟と、片桐家は、実家から徒歩三分のはいりよりも、むしろ弟のほうが、実家の情報に詳しいくらい、綿密に連絡を取り合うようになり、父親が倒れたときは、舞台公演で抜けられないはいりより先に、弟が地球の裏側から駆けつけた。
父親がなくなって、呆然としている母親を、グアテマラまで連れて行く計画を立てたはいりだが、出発直前に、母親は、行かない、と宣言する。そこで、一人で、行くのだ。
グアテマラの不思議な生活。片桐はいりという人の不思議な存在感。どこにいても、はいりは、はいりだ。そして、この家族は、何か、とても深いところで繋がっている。
タレント本としてなんかじゃなくて、しみじみと、面白かった。グアテマラにも、行ってみたい気がした。
2009/7/28