61
「丸の内魔法少女ミラクリーナ」村田沙耶香 角川書店
なんじゃこりゃ、な題名である。村田沙耶香は「コンビニ人間」で度肝を抜かれたが、これも負けてはいない。変人っぷりは相変わらずである。
表題作は、30歳過ぎても、いまだに秘密のコンパクトで魔法少女に変身するOLの話である。内容は、割と理解できなくはない。読後感はむしろ爽やかと言ってもいい。が、その後の三篇の短編は、やっぱりついていけなくなる。もう、別の生き物の生態を見ているとしか思えない。よくぞこんなに次々と変な人間を描けるものだなあ、とつくづく感心する。
これを共感を持って読める人も、世の中にはいるのだろうか。それが、知りたい。
2020/8/1