主婦は一日にして成らず

「主婦は一日にして成らず」青木るえか

ブログをはじめたのっけから、こんな本を紹介すると、人格を疑われそうで心配な私ではあるが、たまたま、この時期に読んでしまったのが不運と思うしかない。古本屋の50円均一箱で出会ってしまったのが、運のつき、というわけだ。

青木るえかは、ひどい。前に彼女の「主婦でスミマセン」を読んだ時には、驚愕した。

るえかの夫は、とても得な体質で、汗がにおわない、と彼女はいう。だから、夫の脱いだワイシャツは、いちいち洗ったりしなくても、ばさっとそこらへんの床に放って置けば、乾くとまた何度でも着れるのだ、と。その点、るえか自身の衣類は残念ながらそういうラッキーな体質ではないために毎回洗うしかないのだけど・・みたいな話だった。

さすがにこの話は顰蹙を買ったらしく、この「主婦は一日にして成らず」で、「あまりのことに引いた」「亭主は何も言わないのか」とメールで三人、口頭で一人から詰め寄られたエピソードが書かれている。

るえかはそれに対して「けっこうびっくりした」と書いている。「これは世間であまりホメられないコトなのであろうなあ」ということを今までいろいろ書いてきたが、「汗にぬれたワイシャツをそのまま乾かして着せる」なんてのは「ホメられない」と言ってもごく軽度、十人中三人ぐらいはやってることだろうと思っていたそうだ。

ちなみに、ダンナは、るえかの文章を読んで、自分の受けた仕打ちを知ってしまったのだが、「そやったん。気いつかへんかった」だけで、特に不快を表明することもなかったそうだ。この妻にして、この夫。結局、この本は、それにつきる。ほかにも、この二人が結婚式を挙げた、日本最古の神社といわれる飛鳥坐神社にまつわるエピソードには、爆笑するしかない。が、ここにはとても書けない。なぜかは、読んだ人にしか分かりません。

るえかは、すごい。この人の本を読むと、私は自分がとてつもなく立派な申し分のない主婦であると思える。それだけで十分だ。

2007/2/1